2011 Fiscal Year Annual Research Report
「優れた」小学校キャリア教育実践プログラムの開発研究
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22531032
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三村 隆男 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10324021)
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Keywords | キャリア教育 / 進路指導 / 職業指導 / キャリア・テクニカル教育 / プログラム開発 / 勤労観、職業観 / 基礎的・汎用的能力 |
Research Abstract |
平成23年度の研究計画は以下の3点が中心であった。 1.国内外のキャリア教育実践に関する情報、教材の整理・紹介 「優れた」キャリア教育実践を可能にする教材の収集では国内外の実践を調査し、今年度は4つの優れた実践(山形県、福岡県、東京都2つ)を冊子『進路指導』を通して紹介した。また、東京都荒川区の二小学校、一中学校の研究を通し、小中連携の「優れた」キャリア教育の実践として、中一ギャップを克服するための移行支援の授業開発を行い、一定の成果を得た。 2.「優れた」キャリア教育実践に対する認識調査 「優れた」キャリア教育実践を一般化するため、キャリア教育の研修会などを通して、「優れた」実践についての認識を調査し定性的なデータを収集した。調査に当たっては、小学校教師のデータ数の収集に苦戦したため、中学校や高等学校の教師の調査も同時におこないデータ数の確保に努めた。 3.海外調査研究 アジアのキャリア教育については日程の調整がつかず、米国視察に切り替えた。米国の視察では、キャリア教育を実践するための教師用資料、教師の能力開発を支えるシステムや教員養成機関の視察を経て多くの知見を得ることができ、研究に新たな視点を加えることができた。 以上の研究実績に加え、優れたキャリア教育実践を可能にするため、教師の専門性向上のためのキャリア教育研修会のプログラム開発に着手し、「優れた」を実践する教師養成についても研究を広げることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由は三つである。ひとつは、荒川区の二小、一中学校との研究でキャリア教育の実践として移行支援の授業モデルを開発することができたこと。二つ目は、米国カリフォルニア州の小学校等の視察を通し、教師用キャリア教育実施マニュアルなどの資料を得、「優れた」の指標を検討する資料としたこと。三つ目は「優れた」キャリア教育実践についてアンケート調査を通し現場の教師の意見を収集することができたことである。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのキャリア教育実践の整理をもとに「優れた」実践を可能にすると考えられる実践組織、プログラム開発、実践、資源、評価、組織文化などの視点によって要件を洗い出し、どの小学校でも利用可能な小学校キャリア教育プログラム開発方法を提示する。その際には小学校キャリア教育の進展に伴い明らかになった様々な成果や課題をもとに、これまでの海外研究調査資料、研究当初のキャリア教育における歴史的研究成果、キャリア教育の評価についての研究などを盛り込み、中学校、高等学校につながりを意識した小学校6年間のキャリア教育プログラムの提示を行う。 最終的には、「優れた」キャリア教育実践をささえる要件まで含んだ総合的な小学校キャリア教育実践プログラムについてまとめていく予定である。
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Research Products
(8 results)