2010 Fiscal Year Annual Research Report
ファシリテーターの育成を通した教育力向上プログラムの開発
Project/Area Number |
22531035
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
白井 靖敏 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (20267925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 勉 三重大学, 教育学部, 教授 (80150217)
鷲尾 敦 高田短期大学, オフィス人材育成学科, 教授 (30259379)
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Keywords | 教育学 / 教科教育学 / 教科外教育 / グループ学習 / ファシリテーター / ICT |
Research Abstract |
(1) 高校までに経験してきたグループ学習の状況調査(リーダー、ファシリテーターなどの役割分担の実態など) 本研究対象としている本学の学生に対し、高校までに経験してきたグループ学習の状況や学習の仕方(グループ内の役割分担、学習のタイプや方法など)を調査し、おもな結果として、課題解決型と集約型のグループ学習が多いことが分かった。交流型は上級学年になるにつれ若干増加するが、全体の10%を少し越える程度であった。中学校から高等学校になるにつれ意見獲得型や理解深化型が少しずつ増えていることも分かった。また、リーダーやファシリテーターといった役割は明確ではなく、教員による指導も十分ではないことも分かった。 (2) 大学生を対象とした授業実践研究 研究計画にそって、学生が主体的に課題を選択し、課題解決のための情報収集、議論、成果発表(プレゼンテーションなど)の形での学習活動とともに、学生自身が学習の成果を発表する手法として模擬パネルディスカッションを取り入れた授業デザインを作成してグループ学習を行った。そのなかで、リーダー、ファシリテーター、プレゼンテーターなどのグループ学習における具体的な役割の仕事内容を十分説明し、学生の希望で選択させたが、リーダーを希望したのが30名中1名、ファシリテーターでは2名となり、進んでこうした力を身に付けようとする学生は少ないことが分かった。高校までの学習過程において、こうした学習方法に慣れていないことが前述のアンケートからも裏付けられたと言える。また、実践結果から、実際の学習過程のなかでは、リーダーとファシリテーターの仕事の内容を混同していた傾向が強く、グループ学習を活発にし、学習が深まるようにするには、熟議の手法なども取り入れた、ファシリテーター育成のための教育プログラムの構築が必要であることで、本研究の目的が明確になった。
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