2011 Fiscal Year Annual Research Report
メディア・オーケストレーションを用いた社会系教材開発の基礎的研究
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22531038
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
金子 邦秀 同志社大学, 社会学部, 教授 (90121590)
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Keywords | 電子教科書 / メディア・オーケストレーション / OSフリー / ドイツ / 世界遺産 / 歴史遺産 / 生活文化 |
Research Abstract |
(1)研究2年目にあたる本年は、メディア・オーケストレーションを用いた社会系教材ソフト開発のためのモデルプラン作成を第1の目標に研究をすすめた。具体的には電子教科書ソフトとして『ドイツの世界遺産~歴史遺産~生活文化<ドイツの東部/西部/南部/北部を巡る>』(『ドイツ』と略称)の作成をすすめ、全体的な構想を検討するとともに、全体の13分の1に相当する最初のページ「1-1ドイツの概要」をOSフリーなパイロット的な部分的教材開発として試み、成果を論文としてまとめた。その際、教材内容の開発にあたっては、対象国であるドイツを地理/歴史/公民を総合して学習することを一方の柱とした。また、ドイツの地方ごとの特色をいかし、それぞれの地域に関わる世界遺産や歴史遺産、さらには生活文化を取り上げて学習させることからドイツ全体の概観ののち、ドイツを4つの地域に分けて学習することを他方の柱とした。 (2)パイロット的に開発した表紙と目次の画面はドイツの国旗の配色をそのまま採用し、第1ページ以下の画面はそれを淡色とし操作性を考慮して縦横の配列を変換した。各ページ(画面)は5フレーム構成をとり、そこにテキスト、テキスト関連資料、アイコン的画像、拡大画像がリンクした形態となっている。 (3)本研究は、研究代表者自身が教材を開発するのみにとどまらず、そのノウハウを含めて開示することで、興味・関心をもつ中学校/高等学校の教員に、どのようにすれば、簡単に電子教材が開発できるかを明示しようと試み、1つのページを構成する5つのパートすべてのスクリプトを示した。それが、『教育文化』に投稿、採択された論文の骨子をなしている。 (4)目下は、13ページ(予定)に及ぶ教材ソフトを完成させることと、これを、授業に活用できる学習指導案をセットで開発することに鋭意取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績において説明したように、電子教科書教材開発のための単元『ドイツ』のパイロット的な部分は完成をみている。また、それについては成果を論文として公表した。また、教材ソフト全体の開発についての概略はできており、目下、本文に対応したメディアとの結合(オーケストレーション)をはかる作業を行っている。この第一の電子教科書については来年度成果をまとめて公表する予定である。また、これに続く、電子教科書の単元開発のための各種の素材や資料の収集も併行しておこなっている。ただし、科研費の総額の決定がおくれたので、海外の現地での資料調査はとりやめ、その分を関連資料の購入にあてるという変更が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、平成24年度においては、上記、電子教科書教材開発のためのパイロット的な部分以外の『ドイツ』の単元の残りの本体部分の教材ソフトの開発に鋭意つとめ、電子教科書の単元モデルとして、教材ソフトとその教材ソフトを用いた教授書を開発していくことになる。電子教科書の特性をより一層活かすために、テキストについては、画面上での文字拡大の機能や、用語の意味検索機能等を、開発する教材の、一部のページでは試行してみたい。それについても、今回の中間的な論文同様、スクリプト等を公開することで、現場の教員にとって、自主的な教材開発ソフト開発の可能性を示したい。
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