2012 Fiscal Year Annual Research Report
学習障害児の算数障害の研究-数概念と分数概念の獲得について-
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22531057
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
熊谷 恵子 筑波大学, 人間系, 教授 (10272147)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 分数概念 / 数概念 / 算数障害 / 学習障害 |
Research Abstract |
1.分数検査の原案作成とそれによる小学生の分数習得度:分数概念の獲得に必要な前段階の概念獲得、およびそれを調べるための具体的な方法について検討するため、分数検査を開発した。それによって、小学校1~6年生の習得度を調査した。その結果、全体が1より上の分数についてその意味内容を問う問題の正答率は低かった。これについては2つのタイプの問題を作成したが、両者とも他の問題に比べて低かった。 2.分数の効果的な学習指導方法の開発:分数学習についてつまずきのある子どもに対するつまずきによる指導法を作成し、それらを事例的に適応した指導法を行い効果を検討するために、学習障害の診断がある中学生1名(FSIQ76)とADHD、算数障害の疑いのある小学生1名(FSIQ112)に対して、認知処理様式を考慮した分数指導を行った。分数習得のための既有知識を整理し、その学習の後に2名に対して同時型指導法略による指導を行った。その結果、2名(1名は学年相当の)とも分数概念の習得が可能であった。 3.算数指導による学習の動機づけの検討:小学校高学年、中学、高校生になっても算数・数学の学習が困難なために学習に対する動機づけが下がっている子どもたちに認知能力のアンバランスに応じた指導法が自己効力感を挙げる効果があるかを検討した。学習障害のある小学校6年生1名(FSIQ99)、学習障害のある中学3年生1名(FSIQ110)、ADHD不注意優勢型の高校3年生1名(FSIQ115)の3事例に対して、指導1期:参考書を使用した通常の指導、指導2期:教材を使用した指導、指導3期:認知能力を考慮した指導を行った。その結果、3名とも指導3期の指導内容についての習得と知識の保持が高かった。それと同時に、学習意欲尺度の値が上がり、学習中の会話の中でも否定的なことばが少なくなっていった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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