2011 Fiscal Year Annual Research Report
按摩マッサージ療法のエビデンスに基づいた職域の開拓:緩和ケアチームへの参入
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22531058
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
殿山 希 筑波技術大学, 保健科学部, 助教 (50341756)
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Keywords | 按摩マッサージ / 補完代替医療 / 身体-心理効果 / がん生存者 / がんサバイバー / パーキンソン病 / 高齢者 / スピリチュアリティ |
Research Abstract |
平成22年度にがんサバイバーに鍼とリンパドレナージュを行った後にリンパ管炎を発症した症例があり、治療との因果関係が不明のままであったため、研究対象の変更も視野に入れて平成23年度は以下の研究を行った。 1高齢者に多いパーキンソン病にどんなマッサージ施術が有用であるかを先行研究^<1)>に基づいて臨床的に研究した。パーキンソン病患者に30分間のマッサージを8週間行い、治療初回の前後(直後効果)、また、治療初回と最終回施術前の値(治療継続効果)を比較している。現在までの結果については、平成24年6月日本温泉気候物理医学会で発表する予定である。 1)Donoyama N,Ohkoshi N. Effects of Traditional Japanese Massage Therapy on Various Symptoms in Patients with Parkinson's Disease: A Case-series Study. Journal of Alternative and Complementary Medicine 2012;18(3)294-9. 2昨年度にインシデントが発生したが、今後のマッサージ領域の発展と国民が安全で有用な按摩施術を受けられるためにも本研究は必要であるとの見解に達し、按摩療法で初のランダム化比較試験に向けての準備を行った。著者らで行った予備研究^<2)>のデータを基に統計解析家を交えて研究プロトコルを作成した。 2)Donoyama N, Ohkoshi N,Satoh T. Preliminary Study on the Physical and Psychological Effects of Traditional Japanese Massage Therapy in Cancer Survivors. J Jpn Assoc Phys Med Baln Clim 2011;74(3)155-167. 3今後、本研究は担がん患者、ターミナルケア患者へと対象が進展していくことから、日本文化におけるスピリチュアリティについて学ぶ必要があると考え、他大学で行われている研究会に参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度のインシデント以来、対象の変更も考えた(介護・リハビリ・ターミナルケアの観点からマッサージはさらに高齢社会に必要とされ、視覚障害者の職域の確保に大切な領域であるという面は本研究テーマと合致する)が、研究協力者との意見・情報交換を重ねて、研究採択の対象で研究が遂行できる見通しが立ち、平成24年度に向けての研究プロトコルが仕上がった。
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Strategy for Future Research Activity |
本学医の倫理委員会に書類を提出後、既に作成してある研究プロトコルに従って被験者の募集を開始し、実験的介入研究がスタートできる状況である。 難点を述べれば、統計解析家計算による妥当な対象数は研究計画提出当初の数より大幅に多いため、検査料金の研究費負担が増えること、施術担当はあくまでも同一であるべきことから今後の研究の遅延が懸念される。
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