2011 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援教育における相談支援ができる教師育成プログラムと実践データベースの構築
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22531062
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
伊藤 良子 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 教授 (00143628)
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Keywords | 相談支援 / 特別支援教育 / 教師育成 |
Research Abstract |
〈A班〉相談事例収集・分析・検討班 (1)事例のデータベース化 昨年度整理分析された教育実践研究支援センター事業である「電話・教育相談」「学校・教育委員会支援」の事例から、「相談内容の分類」「具体的な相談支援の実際」「効果的な相談方法」「保護者のタイプ分類」をすすめ、データベースの構築に敢り組んだ。さらに、これらの事例からみいだされた知見から、本人の状態を正しく把握するためのアセスメントの視点や支援のポイントを教師向けに紹介することを目的とした、「幼児・児童をより理解するためのアセスメント&事例ミニハンドブック」を作成した。 (2)研究連携(学校)フィールドの研究協力者による「優れた実践事例」の検討(ケースレポートづくり) 本センターが取り組む地域連携支援事業の対象地域(小金井氏、立川市、東久留米市)の小中学校、東京学芸大学付属特別支援学校との連携・共同研究に基づき、優れた実践の基準作りや効果的な相談について討議し、絞り込み作業をおこなった。 A班によって抽出した事例の中から、本センターが取り組む地域連携支援事業の対象地域である小金井市や立川市、東久留米市の小中学校、東京学芸大学附属特別支援学校との連携-共同研究に基づき、優れた実践のポイント(教師にとって)や効果的な相談について討議を重ねた。 〈B班〉教師育成プログラムの開発班 全国国立大学障害児教育関連研究センターとの共同研究(大分大学教育実践総合センター佐藤晋治教授、信州大学教育実践総合センター上村惠津子教授他)により、地域における教師がおこなう教育相談活動・相談実績研究・教師養成プログラムの検討をおこなった。あわせて、国内における相談支援活動に関する文献研究をすすめた。さらに、教員免許取得を予定している大学生を対象にした特別支援教育を学ぶ講義の中で、試作したパイロットプログラムを実施し、その効果を検証/分析に着手した。これらの研究結果を踏まえたうえで、「通常学級における特別支援教育を担う教師のための学芸大:養成&研修モデル2012-特別支援教育スタンダードの構築に向けて-」として教師養成プログラムのモデルを作成し、検討を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね23年度当初の研究実施計画のとおりに進展しており、加えて研究の成果の一部をハンドブックや実践モデルとして整理することができた。以降は、より高度な水準でのプログラム内容の吟味や効果の検証をおこなう。
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Strategy for Future Research Activity |
〈A班〉相談事例収集・分析・検討班 教師による相談事例の中で優れた実践(保護者タイプ・相談内容分析による)のデータベース化とインターネット上での無償公開をおこなう。同時に、「特別支援教育におけるすぐれた相談実践事例集」ミニハンドブックを作成し、配布する。 〈B班〉相談支援ができる教師育成プログラム開発班 特別支援教育における相談支援活動のための研修テキストと相談支援マニュアルの制作をおこなう。前年度までのプログラム開発の中で見いだされた研修内容や学修内容をまとめて、研修テキストと相談支援マニュアルを執筆・制作する。研究協力者によりこれらを評価してもらい、加筆修正を加えたのち、報告書を作成する。
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