2010 Fiscal Year Annual Research Report
どのようなビデオセルフモデリングが自閉症児の行動形成に有効であるか
Project/Area Number |
22531069
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大竹 喜久 岡山大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (00304288)
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / ビデオセルフモデリング / 応用行動分析 |
Research Abstract |
ある特別支援学校小学部に在籍する4名の自閉症スペクトラム障害児(S1-S4)それぞれに対し、行動間の多層ベースライン実験計画に従いビデオセルフモデリング(VSM)を実施し、その効果を調べた。対象児の標的行動は、「養護教諭に健康観察版を渡す際の適切なやりとり」(S1-B1)、「朝の会における健康チェック場面での適切な問いかけ」(S1-B2)、「筆記用具が必要な場面での3語文による要求」(S2-B1)、「朝の会における健康チェック場面での適切な応答」(S2-B2)、「養護教諭に健康観察版を渡す際の適切なやりとり」(S3-B1)、「朝の会におけるこんだて発表場面での適切な声量」(S3-B2)、「休憩時における2語文によるお茶の要求」(S4-B1)、「休憩時における2語文による読み聞かせの要求」(S4-B2)であった。S1-B1、S1-B2、S3-B1、S3-B2は、自然場面でプロンプトを与えれば出現させることができる行動であり、S2-B1、S2-B2、S4-B1、S4-B2は、自然場面でプロンプトを与えても出現させることが難しい行動(この場合、合成技術を用いてビデオが作成された)であった。VSMを実施した結果、視検で効果が認められたのは、S1-B2、S2-B1、S3-B1、S3-B2、S4-B1であった。pairwise data overlap square (PDO2)を指標として用いた場合、自然場面でプロンプトを与えれば出現させることができる標的行動のPDO2値は、それぞれ0.31、0.95、0.71、0.44であり、自然場面でプロンプトを与えても出現させることが難しい標的行動のPDO2値は、それぞれ0.28、0.22、0.18、0.11であった。
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