2012 Fiscal Year Annual Research Report
日韓における非行生成メカニズムの解明‐心理・社会・医学的評価からの検討‐
Project/Area Number |
22531072
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
松浦 直己 東京福祉大学, 教育学研究科, 教授 (20452518)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 少年非行 / 発達障害 / 児童虐待 / 心理特性 / CBCL |
Research Abstract |
日本と韓国は歴史的にみても文化・社会的共通点が多く、国民性の根幹を形成するような思想背景も類似していると思われる。おそらく少年非行の特性についても、欧米諸国等と比較すると、共通する部分が多いことが予想される。実際、戦後の韓国の少年法や矯正教育システムは日本のそれを参考にして作成されており、時代に合わせて両国でそれぞれの改正がなされてきたとはいえ、基盤のなる部分は共通している。 2010年に韓国法務省の全面的協力により、韓国少年院在院者の特性に関する包括的調査を実施した。韓国全国の少年院に在院する、790名(男子626名、女子164名)に関するデータが集積された。 調査項目と実施した質問紙は以下の通りである。① 入所時年齢、性別、犯罪種別、IQ、入所時処分基準、職業、学歴、累犯回数、親の収入など ② Rosenberg自尊感情尺度 ③ Buss-Perry攻撃性尺度 ④ 逆境的児童期体験(ACE)質問紙 ⑤ K-CBCL TRF(教官記入版)⑥ K-CBCL YSR(本人記入版)。 ACE(逆境的児童期体験)質問紙を用いて、日韓の少年院在院者を比較した結果、大きな差が認められた。まず男子でみると、項目1,4,6,および7で有意に日本の少年院在院者の方が深刻であった。項目8(家族の犯罪親和性)と項目9(ネグレクト)においてわずかに韓国少年院在院者の方が高かったが、有意差はなかった。すなわち、家族の負因あるいは養育機能上の問題という視点から見ると、日本の方が際立って深刻であると結論づけることができる。 一方女子でも男子における差と共通する結果が得られた。項目1,2,3,4,及び6の5つで有意に日本の女子少年院在院者の方が深刻であった。。虐待のカテゴリーで特に両群の差が顕著であったことは注目された。一方、きめ細やかで丁寧な矯正教育は共通している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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