2012 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症スペクトラム児者のための運動支援プログラムの開発と適用
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22531073
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
是枝 喜代治 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (70321594)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム児者 / 運動支援プログラム / 知的障害 |
Research Abstract |
本年度は、初年度に実施したアンケートの調査結果(185名を対象)をより多角的に分析し、自閉症スペクトラム(ASD)児者の初期発達について検討を加えた。また、ASD児者を主な対象とした地域支援の場を利用して運動支援プログラムの素案を実施し、その効果について検証した。ASD児者の発達特性に関しては、運動発達の各項目のデータ(計24項目)と療育手帳の判定基準を基にしたグループ(3グループ)とを比較し、数量的な評価を試みた。その結果、特にASD児者においては物を介在した運動(「ボールを蹴る」「三輪車を漕ぐ」)などの項目で統計的な有意差が示された(手帳無し:最重度・重度(療育手帳A1),p<.001)。これらの結果は、ASD児者は粗大運動に比べ、物を操作するなどの操作性の運動に困難さが高いとする先行知見を支持するものであった。 また、重心動揺計(グラビコーダGS7)を用いた追加調査では、ASD児者の臨床観察による分析から、本来の静的バランス機能の弱さと共に、注意の度合い(一点を凝視できない、注意の転導が生じやすい)の影響を受けやすく、付加的な要素が大きく作用することなどが確認された。 運動支援プログラムの作成及び検証に関しては、実施後の検証を充分積み重ねるところまで至らなかったが、ASD児者を含めた発達障害児者を対象とした地域支援の実践から、ASD児者への配慮事項として、①見通しや安心感を持たせるために事前にプログラムを提示し、分かりやすい言葉や支援ツールで伝える、②事前に参加者の興味や関心をアセスメントし、参加意欲が高められる内容で構成する、③始まりと終わりが分かりやすい簡易なルールのある活動を選択する、④運動量を確保できるエネルギー系の活動を積極的に取り入れる、⑤他者と協力して取り組むなど、意図的にコミュニケーションが図れる活動を工夫するなどの指針が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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