2012 Fiscal Year Annual Research Report
発達障がいを併せ有する聴覚障がい児の算術力向上を支援するAHS構築に関する研究
Project/Area Number |
22531074
|
Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
松永 信介 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (60318871)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 竹俊 東京工科大学, 教養学環, 教授 (10386766)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 発達障がい / 聴覚障がい / 算術力 / 計数 / 数唱 / 学習者特性 / 認知モデル / AHS |
Research Abstract |
最終の平成24年度に掲げた研究目的は大きく三つあった。 第一は、前年度に仮運用を開始したAHSの改良である。これに関しては、試験運用の段階で得た保護者や教員(以下、支援者)の意見を取り入れ、インタフェースや教材デザインの改善を行うとともに、未実装であったWISCなどの客観的特性と内面心理などの準主観的特性を格納する認知モデルDBの構築を行った。 第二は、数概念の理解において計数と並んで重要となる数唱に関する教材コンテンツの開発である。当初の予定通り、音信号を振動として身体に伝えるセンサーデバイスの活用を前提とした設計を行った上で、昨今ニーズの高まっているタブレット端末対応の指文字による数唱シミュレーションの教材を開発した。この教材のレッスン構成はFusonの5段階発達モデルに基づくが、その実践使用において有意な結果を確認した。また併せて、本研究初年度に導入したテーブルトップ型のタッチパネルモニタの利用を想定した疑似百玉そろばんの教材を開発し、繰り上がりや繰り下がりといった桁操作を伴う加減算の理解の支援を行うとともに、場の共有による協調学習の効果を確認した。 そして第三は、本研究で進めてきたコース設計や学習者特性モデルの妥当性の評価である。この趣旨のもと、障がいの内情の異なる複数の児童とその支援者に教材やシステムを実際に利用してもらい、その効果検証を行った。コース設計に関しては、基礎算術の入口である計数と数唱の学習を強化したことによる効果が十分に見て取れた。また、学習者特性モデルに関しては、客観的特性の妥当性や有用性は確認できたものの、支援者から評価の高かった準主観的特性の導入による効果について有意な結論を導くには至らなかった。一方、発達障がい対応として導入したテーブルトップタッチパネルや聴覚障がい対応として導入した音センサーデバイスなどのハード面の有用性も確認することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(8 results)