2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澁川 陽一 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90241299)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2014-03-31
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Keywords | ダイナミカル・ヤン・バクスター写像 / ホップ亜代数 / テンソル圏 |
Research Abstract |
本研究では,ダイナミカル・ヤン・バクスター写像に付随して定義される双亜代数がホップ亜代数となるための条件を明らかにすることを主な研究目的としている.当該年度に実施した研究により,この目的は概ね達成されたと考えている.達成した方法は,論文[1]の方法を発展させたものである. さらに,この条件を満たすようなダイナミカル・ヤン・バクスター写像を,具体的に構成することにも成功した.本研究の成果は,新たなホップ亜代数を生み出した点で重要である. 加えて,当初計画していた,表現全体のなすテンソル圏の対象および射に対しそれぞれ双対を定義することにも,ある程度成功しつつある.これは,表現全体のなすテンソル圏がrigidとなることを証明するための重要な第一ステップである. 当該年度には,上記成果以外にも,ダイナミカル・ヤン・バクスター写像を新たに構成することに成功した.その構成手法がどのテンソル圏でも通用することから,1つの普遍的な構成方法を与えたという点で意義があると考えている.この成果は共同研究という形で論文にまとめてあり,現在投稿中である. [1]Etingof, P., Varchenko, A.: Solutions of the quantum dynamical Yang-Baxter equation and dynamical quantum groups, Comm. Math. Phys. 196(3)(1998), 591-640.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,ダイナミカル・ヤン・バクスター写像に付随して定義される双亜代数がホップ亜代数となるための条件を明らかにする予定であったが,その主要部分については,本年度中に達成したから.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの研究で,ダイナミカル・ヤン・バクスター写像に付随して定義される双亜代数がホップ亜代数となるための条件を概ね明らかにしたので,今後は,このダイナミカル・ヤン・バクスター写像に付随した表現全体のなすテンソル圏がrigidとなることを証明したり,今までの研究成果を取りまとめ発表していくことなどに重点を置いて,本研究課題の総仕上げをしていく予定である.このような次第であるので,研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点はほぼないと考えている.
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