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2011 Fiscal Year Annual Research Report

次元の一致の非可換化

Research Project

Project/Area Number 22540003
Research InstitutionMuroran Institute of Technology

Principal Investigator

森田 英章  室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90435412)

Keywords非可換対称関数 / ホール=リトルウッド関数 / スプリンガー加群
Research Abstract

有限鏡映群のスプリンガー表現とよばれる自然な次数加群には、次元の一致とよばれる組合せ論的な性質が認められる。これはスプリンガー加群の各斉次空間の次元が示す特徴的な現象で、それを表現論的な観点や、その他の視点から考察することが目的である。表現論的な観点から述べると、この現象はホール=リトルウッド関数のパラメーターに1の冪根を代入した際に生じる「分解公式」がその基盤を支えていることを、これまでの研究で解明した。現在は、この分解公式の非可換化を目標としている。非可換化という意味は、1995年にゲルファントやラスクーらによって提唱された非可換対称関数論の枠組みの中で、このホール=リトルウッド関数の分解公式の類似物を構成することをここでは意味している。
現在、ホール=リトルウッド関数は、イベール、ベルジェロン=ザブロッキ、テブリン、ノベッリ=ティボン=ウィリアムスらにより4通りの非可換化が提出されており、特に前者二組の研究においては、分解公式の類似がすでに提示されているものの、次元の一致の観点からすると、その公式はいささか不自然な様相を呈している。そこで、次元の一致の観点のもとに自然な分解公式をもつホール=リトルウッド関数の非可換化の可能性を追求し、その構成に成功した。
非可換対称関数の研究は、現在さまざまな様々な立脚点から考察が進められ、そのなかでも非可換ホール=リトルウッド関数は、ヘッケ環やホップ代数あるいは非可換単項対称関数などの多彩な観点から、それぞれの研究者によって研究が行われているが、今回の研究により、可換な対称関数環が本来的に懐胎する幾何的な視座に向け、その非可換化の道程を切り開く可能性を得ることになる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初は分解公式の非可換化に向け、ホール=リトルウッド関数や、その一般化であるマクドナルド関数の分解公式を支える組み合わせ論的な原理を探ることが目標であったが、ある種の視点の変換により、求める非可換化を一気に構成することができた。これは当初、予想していなかった展開である。

Strategy for Future Research Activity

今回得られたホール=リトルウッド関数の非可換化を、ヘッケ環の表現やホップ代数の作用を用いて記述することを試みる予定である。また、対称関数環の理論では、これまでその関連が明快な形で現れていなかった幾何的な背景を、今回の研究では取り込むことに成功している。この点を鑑み、現在までに構築されている理論を、幾何的な視座から見直すことも、今後継続的に進めていく予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] On a bijective proof of a factorization formula for Macdonald polynomials2012

    • Author(s)
      F.Descouens, H.Morita, Y.Numata
    • Journal Title

      European Journal of Combinatorics

      Volume: 33 Pages: 1257-1264

    • DOI

      10.1016/j.ejc.2012.02.00410.1016/j.ejc.2012.02.004

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2013-06-26  

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