2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540005
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小松 尚夫 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (70300556)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 連分数 / 整数論 / 組合せ論 / 代数学 |
Research Abstract |
連分数の解析的研究としては、様々な型のTasoev連分数の近似値について正確な表現を与え、ディオファントス方程式の解がみたす有理数との評価が得られたことが挙げられる。Tasoev連分数の3つの型やその変形の拡張において有理近似の指標があるが、その指標を正確に表すことができ、それによって近似の精度を高めることが可能になった。部分商が算術級数をなすHuwitz連分数については類似の結果が知られていたが、部分商が幾何級数をなすTasoev連分数の場合は扱いが難しかったのである。連分数の代数的研究としては、算術関数の代数的独立測度の拡張が得られた。それまでは、これらの素数に依存する点における関数値のベクトルの集合が線形独立であるような相異なる素数の集合が存在するという仮定の下で、結果が証明されていた。それが、相異なる正整数の集合でも成り立つことが証明されたのである。連分数の組み合せ論的研究としては、パスカルの三角形に生じる線形関係式を一般の多項係数に拡張された三角形に生じる線形関係式に拡張できた点にある。また総合的な研究としては、合同数と連分数の関係が示されたことと、あるフィボナッチ数を法とするような連続するフィボナッチ数の比の乗法位数の計算がなされたことが挙げられる。 これらの結果は、6月の「数系と置換2012」と「第15回国際フィボナッチ研究集会」、10月の「ICNA2012」(招待講演)、11月の「RAMA8」(招待講演)などの国際研究集会で発表してきた。また、8月から9月にかけてハンガリーを訪れ、西ハンガリー大学のSzalay氏、エステルハーズィ・カロイ大学のLiptai氏と共同研究を行い、10月から11月にかけて招へいしたLiptai氏と研究成果を、ベルヌーイ数とコーシー数との関連としてまとめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
連分数の解析的研究、連分数の代数的研究、連分数の組み合せ論的研究、どの方面でも論文として結果が残せており、今後の方針も明確である。さらに、横断総合的な研究にも発展しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
連分数の解析的研究では、関数と連分数の関連を調べるため既存の関数に加え、ベルヌーイ多項式などの多項式も考察し、ゼータ関数など有名な関数との関連に発展させていく。連分数の代数的研究では、代数体における連分数の研究に加え、ディオファントス方程式やフィボナッチ数も考察する。連分数の組み合せ論的研究では、線形関係式を含む関係式を発展的に取り扱っていく。
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Research Products
(18 results)