2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22540010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土屋 昭博 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (90022673)
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Keywords | テンソル圏 / 共形場理論 / 量子群 / 頂点作用素代数 / fusion tensor積 |
Research Abstract |
1.sl_2型のtriplet W-代数W_p,p=2,3,...は、現在知られているC_2-有限性を満たし、かつその表現のつくるAbel圏が半単純にならない数少ない頂点作用素代数である。W_pに付随して構成されるP^1上の共形場理論におけるfusion tensor積を使ってabel圏W_p-modはbraided monoidal categoryの構造を持つ。私はSimon Wood氏と共同で単純加群と射影加群の間のfusion tensor積を具体的に計算し、これらが単純加群と射影加群の直和となることを示した。この結果については2011年6月に北京で開かれた国際研究集会で講演を行い報告した。 2.さらに、互いに素な正の整数の組(p_+,p_-)に付随して定義される頂点作用素代数Wp_+,p_-についても、Simon Wood氏と共同でこれがC_2-有限性を満たすことを示した。現在これをさらに深めて、単純加群と射影加群の構成問題の解決をしようとしている。このため、W_p-modのabelian categoryとして構造解析を行った。具体的には、W_p-加群についての永友・土屋で用いた方法を自然にWp_+,P_--加群の場合に拡張して、単純加群の構成およびその射影拡張を構成することが出来る。このことにより、Wp_+,p_--modのabel圏の構造が記述される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
W_pの場合をWp_+,p_-に拡張するための最も重要な論点は、Screening作用素を定義するために必要な局所係数ホモロジー群におけるサイクルを構成することであり、このサイクルによる積分を計算することであった。これは積分をJack多項式の内積公式に還元することによりなされた。
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Strategy for Future Research Activity |
Wp_+,p_-のアーベル圏としての構造解析、およびbraided monoidal圏としての構造解析、および1の巾根における量子群の表現論との関係、等の具体的な姿が浮かび上がっている。
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Research Products
(1 results)