2013 Fiscal Year Annual Research Report
アーベル多様体のモジュライ空間のコンパクト化とlog幾何
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22540011
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
中山 能力 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (70272664)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 対数幾何学 / アーベル多様体 / トロイダル・コンパクト化 |
Research Abstract |
当研究はアーベル多様体のモジュライ空間のコンパクト化を、log 幾何を用い、log アーベル多様体のモジュライ空間として構成することを目ざすものである。平成 25 年度は、梶原健氏、加藤和也氏と共同で、log アーベル多様体の固有模型および射影模型についての研究を進めた。固有模型については、平成 24 年度の結果を総合し、論文をまとめ専門誌に投稿することができた。現在査読を経て、改訂中である。射影模型の構成については、log アーベル多様体上の Gm torsor を始めとする、各種の形式 torsor の代数化が必要であることが判明した。これらの代数化について研究を続けた結果、固有模型を利用して、各種の torsor が代数化できることが証明できた。この結果、固有模型の存在を用いて射影模型が構成できることとなった。さらに、射影模型を用いることで、最終目標であるモジュライ空間の構成に不可欠な、log アーベル多様体自体の代数化も証明できると考えられる。射影模型については、その存在を証明することができたと思われることと、log アーベル多様体の代数化の証明にはまだしばらくの時間がかるであろうことから、射影模型の構成だけを論文にまとめるべく執筆中である。平成 26 年度は射影模型についてのこの論文を完成させると同時に、log アーベル多様体の代数化および形式モジュライ空間の構成を進め、最終目標であるモジュライ空間の構成をめざしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究はアーベル多様体のモジュライ空間のコンパクト化を、log アーベル多様体のモジュライ空間として構成することを目ざすものであるが、平成 25 年度までに、模型(固有模型および射影模型)の理論がほぼ完成したこと、さらに、平成 25 年度には、形式モジュライ空間の構成や log アーベル多様体の代数化についての研究が進んだことから、おおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成 26 年度も、当初の予定通り、共同研究者の梶原健氏、加藤和也氏と緊密に連絡を取り合い、射影模型についての理論の詳細の検討を続ける他、形式モジュライ空間の構成や log アーベル多様体の代数化などの課題も検討し、最終目標であるモジュライ空間の構成をめざしたい。
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