2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540022
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
今野 均 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00291477)
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Keywords | 量子群 / アフィンリー環 / 楕円関数 / 可解格子模型 |
Research Abstract |
B^(1)_N型アフィンリー環に付随する楕円量子群U_{q,p}(B^(1)_N)の定式化に関して次の成果を得た。 1.ハーフカレントの構成を進めるとともに、これまでに得たハーフカレントの2N+1次元表現を構成し、それをL-作用素に組んだものがB^(1)_N型の面型楕円R行列成分を再現することを示した。 2.レベル1の無限次元既約表現をランク個のドリンフェルト ボソンと1個のフェルミオンを用いて構成した。 3.L-作用素がハーフカレントによるガウス分解の形で与えられることを仮定して、レベル一般の無限次元既約表現空間上のタイプIとタイプIIの繋絡作用素に対する繋絡条件を設定し、それをある解析的な条件の下で解くことによって、繋絡作用素を決定した。また、レベル1表現の場合に2の結果を適用して、タイプI、タイプII繋絡作用素の自由場表現を構成した。 一方,楕円量子群U_{q,p}(sl_2^)の有限次元及び無限次元表現の応用として、XXZスピン鎖模型の零質量相での構造因子の厳密な導出を行った。これはまず、同模型の楕円関数的拡張であるXYZスピン鎖を考え、その形状因子を頂点一面型対応に基づいてU_{q,p}(sl_2^)の表現を応用することによって求め、そこからXXZスピン鎖模型の零質量相への極限をとるというものである。一度楕円関数的な模型へ拡張しなければならない理由は、XXZスピン鎖の零質量相の状態空間が離散的な次数付けを許さないような特異なものであり、その直接的な定式化が困難なことによる。また、得られた構造因子の閾値近傍における振る舞いを解析し、幕的に発散することを示すとともにその指数を決定した。
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