2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540027
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金子 譲一 琉球大学, 理学部, 教授 (10194911)
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Keywords | Koornwinder polynomial / orthogonal polynomial / double affine Hecke algebra / Selberg integral / Baker-Forrester constant |
Research Abstract |
本年度はKoornwinder多項式(以下K多項式と呼ぶ)のBaker-Forrester定数項予想への応用について集中的に研究した。 1.まずdouble affine Hecke algebraの元から冪等で互いに可換な一部分の変数に関しての交代化作用素及び対称化作用素を定義した。これらは,すべての変数に関する交代化作用素及び対称化作用素の自然な拡張になっている。 2.次にこれらの作用素のK多項式への作用を考察した。これらを作用させたものは、部分的変数に関する差積の積と残りの変数に関する対称K多項式の積になることが証明できた。ここでこの対称K多項式は、もとの非対称K多項式のパラメターと比較してパラメータのシフトがおこるが、これを精確に求めることができた。交代化作用素の部分が差積になることはWey1の分母公式の証明と同様で、一方対称化作用素作用素部分の部分は、これを作用させたものが部分的変数に関するいわゆるCherednik作用素族の同時固有函数になることから従う。これらは(A型)非対称Macdonald多項式の場合のBaker,Dunkl,Forrester及び最近のBarattaの計算(Kyushu J.math.,2010)と、細部は異なるが,平行な結果である。 3.Baker-Forrester定数項予想の証明のためにはもう一方の関係式、即ち一部分の変数に関しての交代化作用素及び対称化作用素をK多項式へ作用させたものを再びK多項式で展開するときの展開係数を求めることが必要となる。これに関しては、現在研究を進めているが、我々が考えているKoornwinder多項式のインデックス=ウエイトが支配的でない点に一つの困難がある。この点について、Lascoux等(Pub1.RIMS,1995)による交代化作用素、対称化作用素に関するある種の表示式の我々の場合への一般化ができれば、うまくゆくことがわかってきた(細部については,未だ詰めていない点がある。この一般化がうまく行かなければ別のルートを考える必要がある)。
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