2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540029
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
古澤 昌秋 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50294525)
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Keywords | 相対跡公式 / 保型エル函数 |
Research Abstract |
Bocherer予想に関連した相対跡公式に関して,主要項に関する基本補題をヘッケ環の単位元からヘッケ環全体に拡張することに,Kimball MartinとJoseph Shalikaとの共同研究によって成功した.手法は,以前から行ってきた,両辺のヘッケ環の任意の元に対する軌道積分を,Fourier反転公式を用いて,組み合わせ論的に決定される一般化されたKostka数を係数とする,単位元に関する退化軌道積分の1次結合として表示し比較するというものである.基本補題のヘッケ環への拡張によって,研究を次の段階に進展させることができた.また,我々の手法はそれなりの一般性を持つものであり,他の同様な相対跡公式の基本補題のヘッケ環への拡張についても役立つのではないか,と期待される.その他にも,我々の手法はKowalski, Saha and Tsimermanの研究に見られるように,解析数論的な問題にも有用であると期待される.我々自身の研究の次の段階としては,smooth matchingの証明が考えられるが,これについての研究を開始した.具体的には軌道積分のパラ-メーターに関する漸近挙動を調べることによって,軌道積分の張る空間を特徴付けることを目指している. この他に,大学院生の森本和輝との共同研究によって,準分裂ユニタリー群GU(2,2)のShalika周期の非消滅とtwisted exterior square L函数のs=1における極の存在の同値性について証明することができた.また,森本との共同研究では,有理数体上definiteな2次形式に関する特殊直交群とGL(2)のテンソル積L函数の特殊値の代数性について,unbalanced caseと言われる場合の一つについて証明することができた.
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Research Products
(3 results)