2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540030
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
河本 史紀 学習院大学, 理学部, 助教 (50195161)
|
Keywords | 実二次体 / 極小型実二次体 / 極小型自然数 / 類数 / ガウス予想 / 基本単数 / 連分数 / 連分数展開の周期 |
Research Abstract |
「類数1の実二次体は無限に多くあるだろう」と主張するガウス予想(1801)を解くために,河本・冨田(2008)は「極小型実二次体」という概念を導入した.その概念は,実二次体全体をある実二次無理数の連分数展開の周期で分類し,各周期ごとにその基本単数と類数を調べるという観点に基づいている. 5億の範囲の数値データを使って,連分数による類数1の実二次体の無限族の抽出方法を提唱することができた.すなわち,ある種の極小型実二次体の無限族が類数1の体の無限族となることを予想した.これは冨田との共著論文「Continued fractions and Gauss' class number problem for real quadratic fields」としてまとめられ,2012年にTokyoJ.Math.から出版される予定である. さらに目標とするこの極小型実二次体を構成するために,「末尾急増型主要対称部分」および「前末尾急増型主要対称部分」という新しい概念を導入することができた。そして,末尾急増型主要対称部分は前末尾急増型主要対称部分から構成されることが解明された.このように前末尾急増型主要対称部分のメカニズムを究明することが今後の研究課題になる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ガウス予想を解くために,「末尾急増型主要対称部分」および「前末尾急増型主要対称部分」という新しい概念を導入することができ,末尾急増型主要対称部分は前末尾急増型主要対称部分から構成されることが解明された.
|
Strategy for Future Research Activity |
前末尾急増型主要対称部分のメカニズムを究明することが今後の重要な研究課題になる.そのために数値データベースの拡充は必要であると考える.各周期におけるデータを増やすためには数値データの範囲を広げなければならない.今後の推進方策として,新しいPCを購入してデータベースを増やす予定である.
|