2011 Fiscal Year Annual Research Report
幾何結晶上のトロピカルR写像の構成と結晶基底への応用
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22540031
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
中島 俊樹 上智大学, 理工学部, 教授 (60243193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筱田 健一 上智大学, 理工学部, 教授 (20053712)
都築 正男 上智大学, 理工学部, 准教授 (80296946)
五味 靖 上智大学, 理工学部, 准教授 (50276515)
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Keywords | 幾何結晶 / 超離散化 / 結晶基底 / トロピカルR写像 / 多面体表示 / 一般化行列式 / 単項式表示 / picture |
Research Abstract |
幾何結晶に対応するトロピカルR写像に深い関係が、あると思われる飾り付き幾何結晶について考察を行い、A,B,C,D,G型の場合には、結晶基底の単項式表示と興味深い関係があることを見出した。 ここで、飾り付き幾何結晶は双幕単結晶から誘導される幾何結晶の一種で超離散化により結晶基底の多面体表示と類似の表示を持つことが知られている。この研究においては現在、古典群の場合について数多くの具体的な例を用いて計算を実行し、そこから一定の結果と更なる予想を得ている。計算自体は古典的な行列の計算が中心となるが、そこに結晶基底の単項式表示が現れ、このことはこうした研究に新しいアプローチの方向を与えるものではないかと考えている。特に、報告者とアンドレイ・ゼレビンスキーにより発見された結晶基底の多面体表示への応用は興味深く、アンプルと呼ばれる条件なしに多面体表示を構成できることが期待される。 また、この方面は2重ブリューワーセルと一般化された行列式とクラスター代数の関係などが注目を集めており、この結果や予想がそうしたものと関連を持つことが期待される。上の計算などは古典型についてのみであるが、結晶基底の多面体表示や単項式表示、クラスター代数などは一般のカッツムーディー代数の設定まで想定されているので、そこまでの拡張も期待したい。 また、pictureと呼ばれる組合せ論的対象と結晶基底の理論で重要なLittiewood-Richardson系吉晶との具体的な1対1対応について具体的に構成することに成功した。これについても、幾何結晶からのアプローチの可能性について研究を進めてみたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究論文もいくつか出版し、国際研究会で成果を発表することもできているので。
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Strategy for Future Research Activity |
比較的順調に研究は進んでいる。進展中の関連分野との連携を強化したい。
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Research Products
(6 results)