2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540035
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上野 喜三雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70160190)
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Keywords | 多重ゼータ値 / 多重対数関数 / 形式的KZ方程式 / モジュライ空間 / リーマン・ヒルベルト問題 |
Research Abstract |
まず,平成23年7月25日~29日に開催された「Infinite Analysis 11」において招待講演を行った.研究会終了後,講演内容に関連する論文「KZ equation on the moduli space $\mathcal{M}_{0,5}$ and the harmonic product of multiple polylogarithms」と「Connection problem of Knizhnik-Zamolodchikov equation on moduli space $\mathcal{M}_{0,5}$」を論文誌に投稿し,前者は「Proceedings of London Mathematical Society」に掲載が決定し,後者は審査中である.このn二編の論文は,これまでの研究の到達点を示すものであり,これにより「本研究」の一つの目標が達成されたことになる. つぎに,10月17日~21日に熊本大学大学院において集中講義を行った.19日には談話会において「多重対数関数の反転公式とリーマン・ヒルベルト問題」と題する講演をした.講演の内容をまとめた「The inversion formula of polylogarithms and the Riemann-Hilbert problem」を「Springer Proceedings in Mathematics」に投稿し,掲載が決まった. リーマン・ヒルベルト問題を使って,多重ゼータ値から多重対数関数を復元する方向の研究は,現在も鋭意続けており,平成24年3月26日~29日の日本数学会年会において,その概要を報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「本年度の研究実績の概要」で述べたように本研究の目標である「モジュライ空間$\mathcal{M}_{0,5}$上の形式的KZ方程式の基本解の接続問題を解く」ことと「多重対数関数の調和積を接続問題として捉える」ことが達成でき,しかもそれを二編の論文として,一つは海外の一流誌に掲載が決まっている.また,新しい研究方向も見えており,それに関連した論文も発表した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題は「より高次元のモジュライ空間$\mathcal{M}_{0,n}(n \geq 6)$上のKZ方程式を考察することと,リーマン・ヒルベルト問題を使って,多重ゼータ値から多重対数関数をを復元することである.後者の問題は1変数KZ方程式(モジュライ空間で$\mathcal{M}_{0,4}$に対応する)について進展中である.$\mathcal{M}_{0,5}$のときは今後の大きな課題である.
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Research Products
(2 results)