2012 Fiscal Year Annual Research Report
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22540037
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
安富 真一 東邦大学, 理学部, 教授 (60230231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 純一 津田塾大学, 付置研究所, 研究員 (90418905)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 高次元連分数 / 単数 / stepped surface / タイリング |
Research Abstract |
アルゴリズム(以下CS、AJPA、平成22年度に見出されたG-Farey)を用いて高次元連分数展開理論を拓きたい。具体的に6つの目標を想定している。1)高次体で周期性の計算機実験を進め、アルゴリズムの有効性を検証する。2)アルゴリズムに関する力学系に関してnatural extensionの具体的な構成を行う。3)同時有理近似アルゴリズムとしてどの程度有効であるかを計算機実験と理論面で探っていく。4)代数体の単数の生成にどの程度有効であるかを計算機実験と理論面で探っていく。5)substitution(自由モノイド上のendomorphismを無限語に拡張したもの)の不動点、Rauzy フラクタル、atomic surface、平面のstepped surface期タイリング等との関連を探る。6)関数体やP進体などへの高次連分数の拡大を探る。1)6)については高次体の周期性を指向しつつも3、4次体で単数をより良く生成する観点でアルゴリズムを見直した。単数は整数論にとって要とも言う量であり連分数が2次体の基本単数を生成するように3次体以上で同様なことが期待される。数値実験では判別式が負である場合に基本単数を生成することを観察した。また判別式が正の場合は99%の割合で基本単数を生成することを観察した。5)については伊藤俊次氏および古門麻貴氏との共同研究で古典的なModified Jacobi-Perron アルゴリズムの場合に基本図形が置き換えにより全平面に広がることの条件を得た。手法は普遍的であり本アルゴリズムについても適用できると思われる。2)3)6)については特段の進展がなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたように目標の達成度に凹凸がある。特にアルゴリズムに関する力学系に関してnatural extensionの具体的な構成を行うという目標に対してほとんど何も達成できていない状況である。当初より困難を極めることは予想していたがその難しさがさらに研究を深めることにより明らかになってきた。一方単数の生成の数値実験では満足できる結果を得ることができた。特に4次体の総実な場合の基本単数が得られることは新に新しい事実と思う。またstepped surface上の単純図形からの生成問題では古典的なアルゴリズム上ではあるがその条件を決定できたので著しい結果と思う。
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Strategy for Future Research Activity |
アルゴリズムに関する力学系に関してnatural extensionの具体的な構成を行うことは相当な困難を伴うことが分かってきたのでできるだけ単純な状況を設定して取り組んでいきたい。例えばG-Fareyであれば2次元の場合でも形式的には3次体以外にも2次体でも定義できるのでそのような場合に証明を積み上げていきたいと考えている。単数の生成についても数値実験を推め5次体までの単数の生成実験を見ていきたい。また3次体に関してはVoronoiのアルゴリズムが有効でありそれとの関係も探索していきたい。関数体については標数有限の場合をターゲットに進めていきたい。またstepped surfaceの研究は伊藤俊次氏古門麻貴氏との共同研究をさらに進めていきたい。
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Research Products
(5 results)