2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540040
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
戸野 恵太 埼玉大学, 理工学研究科, 非常勤講師 (30422215)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 平面曲線 / 特異点 |
Research Abstract |
1.有理尖点平面曲線の特異点を解消したときの自己交点数について 本年度の研究では複素射影平面上の代数曲線Cで特異点として局所的に既約なもの(尖点と呼ぶ)のみを持つ有理曲線を考察した。このような曲線を有理尖点平面曲線と呼ぶ。Cを有理尖点平面曲線としてCの特異点の最小埋め込み解消を行う。これはCの逆像が正規交差因子になる最短のブローアップの列の合成である。この特異点解消によるCの固有変換をC'と書くことにする。本研究ではC'の自己交点数の上限を考察した。一般に有理尖点平面曲線C全体のなす集合を考えたときC'の自己交点数には上限が無いことが分かっている。しかしCの補集合の対数的小平次元が2で、特異点の数が2以下のときには上限があることが分かっている。本年度の研究では特異点の数が3以上のときにも上限があることを証明した。すなわち、Cをn個の特異点を持つ有理尖点平面曲線としたとき、もしnが3以上ならばC'の自己交点数は7-3n以下であることを証明した。少なくとも3つの特異点を持つ有理尖点平面曲線の補集合の対数的小平次元は2であることが知られているので、有理尖点平面曲線Cの補集合の対数的小平次元が2であればC'の自己交点数には上限があることになる。 2.特異点を3個持つ4次有理尖点平面曲線の特徴づけ 特異点を3個持つ4次有理尖点平面曲線が存在する。この4次曲線CはC'の自己交点数が上記1の研究成果で得られた上限に等しい例になっている。この4次曲線に関して次のことを証明した。すなわちCを3個の特異点を持つ有理尖点平面曲線としたとき、C'の自己交点数が-2であることとCが特異点を3個持つ4次有理尖点平面曲線であることが同値であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的の中で補集合の対数的小平次元が2の有理尖点平面曲線に関する研究成果は得られたが、種数が1以上の尖点平面曲線に関する研究成果が得られなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書に記載した研究の目的を達成するために研究計画に従って研究を遂行する。
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