2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22540050
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 栄一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10112278)
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Keywords | 有理曲線 / 単有理性 / ファノ多様体 / コニック束 / レフシェッツの超平面切断 |
Research Abstract |
前年度の研究:「申請研究1)のひとつ(1.1)ファノ多様体上の最小(小さい)次数の有理曲線族のパラメータ空間考察」の続きを行い、より広い条件の下、より精度のいい結果とその証明を与え研究を進展させた。定理は以下の通りである。 ●定理・全射f:X->Yの一般ファイバーをファノ多様体とする。 その反相対標準直線束-K_f(:=-K_X-f*K_Y)を半豊富と仮定する。 「その時、Yのエタール被覆Y'で底変換Y'x_YXはY'とFの直積(Fはfのファイバー)になる。」 という完全な証明を与えた。 その際の主要点は2点ある。以下は新しい結果である。 ・-K_fは決して巨大にはならない。 ・-K_fが誘導する飯高ファイブレーションの一般ファイバーをSとすると法束N_{S/X}は自明束。 この結果より高次元ファノ多様体でファイバー型の射を持つ場合、ある場合には自明束になることが分かり、高次元多様体の分類に有効な基本的定理の一つを得た。 この研究について以下で話した。 講演タイトル:On local triviality of Fano fibrations 場所,研究集会名,日時:スペイン(Casas del Tratado), Resolution of Singularities and Related Topics,2011・9月19日
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
達成度については23年度の問題 研究(い)f:X->Yをsmooth射とする。ファイバーがファノの時、どんな条件でファイバー束になるか?は(1)きわめてうまくいく。これは上記定理にあたる。 他の研究(あ)Xを非特異射影多様体、Aを非特異アンプル因子とする。 (1)Aが、ファノ及び単有理のときXにその性質は遺伝するか? (2)Aがコニック束のときXも束構造か?また、Aが因子収縮写像を持てばXも持つか?の直接的内容考察は停滞している(3)。 単に研究(い)は最初きわめて複雑な証明だったことによる。が、「-K_fは決して巨大にはならない。」ことに気づき一気に証明が簡略化された。(あ)については今年度得られた知見で方法が拡大したので、次年度は期待出来る。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は23年度の結果を全射f:X->Y$の一般ファイバーが弱ファノ多様体の場合に一般化できるかどうか調べたい。同時に研究3に当たる。 ファイバー構造を持つファノ多様体に対しては、単有理を与えるファイバー構造を記述したい。
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Research Products
(4 results)