2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540053
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
加藤 希理子 大阪府立大学, 理学系研究科, 准教授 (00347478)
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Keywords | 特異圏 / t-structure / 捩れ対 |
Research Abstract |
1.写像の特異圏の研究 研究代表者がS.Iyengarと定義した「写像の特異圏」は環準同型写像がスムーズであるときに消失するが、消失はスムーズ性を導かない。「写像の○○圏」としては、準同型写像の性質を必要十分に判定するものが望ましい。その意味で、研究代表者らが定義した三角圏消失の十分条件を調べると同時に、写像の性質を抽出する圏を探す試みを続けた。本年度はホモロジー的なアプローチにより、与えられた加群の射空間をホモロジーに持つような複体の構成方法を見出した.S.IyengarおよびD.Murfetとの共同研究による。 2.部分圏や商圏における捩れ対の研究 捩れ対は三角圏を分析する鍵であるが、商圏や部分圏との交叉をとると、一般には保たれない.捩れ対(A,B)が三角圏Tの安定t構造のときは、ある部分圏Sによる商圏T/Sにおいても商像(A/S,B/S)が安定t構造であることと、部分圏Sにおいて、交叉(A∩S,B∩S)が安定t構造であることは同値であることが知られている。この事実の一般化として、以下を得た。1.(A,B)が安定t構造よりも条件の緩いt構造のときは、商像がt-構造であれば交叉もt-構造であること、双対として2.(A.B)が余t構造のときは、交叉が余t-構造であれば商像も余t-構造であることを得た.Sが捩れ対(S,S')をなすときには、更に考察を進めることができる。(A∩S,B∩S)が捩れ対となることと(S∩B,s'∩B)が捩れ対となることとの間に必要、十分、必要十分の関係が捩れ対の条件に応じてあることも分かった。
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