2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540053
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
加藤 希理子 大阪府立大学, 理学系研究科, 准教授 (00347478)
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Keywords | 三角圏 / 導来圏 / t-structure / recollement / Cohen-Macaulay加群 |
Research Abstract |
1.捩れ対の生成三角圏の異なる部分圏A,Bを写像錐によって貼り合せた充満部分圏A*Bは、元の2つの圏の性質を併せ持つが、必ずしも三角部分圏にならない。A*Bが三角部分圏になるための必要十分条件は、B*AがA*Bに含まれることであることを示した。アーベル圏に関してセール性を判定する同様の結果がが吉澤によって得られているが、コンパクト対象の挙動に差があることを見た。すなわち加群圏ではAがコンパクト対象のなす部分圏であるとき、A*Bは常にセール圏になるが、三角圏では同様の事実は成り立たない。さらに、三角圏の特質を生かして、与えられた部分圏から商・交叉・写像錐による貼り合せなどの基本操作によって(1)安定t構造(2)recollement(3)三対称recollementを生成する方法を見出した。既に知られている三対称recollementは、この方法で再現することができる。本研究は、前年度の研究においてAuslander圏とBass圏の貼り合せの際に、貼り合せの順序を変えると包含関係が生ずる状況に端を発しており、新しい判定条件は、この状況を説明する。P.Jorgensenとの共同研究による。 2.n-複体のホモトピー圏複体とは、微分写像を持つ次数つき加群で、微分写像の2乗が消失するものである。自然な拡張として、微分写像のn乗が消失する次数つき加群をn-複体と呼ぶ(Kapranov).n-複体のなすホモトピー圏について、(1)懸垂と写像錘の基本性質(2)(n+1)-対称recollementの存在(3)Cohen-Macaulay加群の安定圏との対応(4)他のホモトピー圏との対応がわかった。伊山・宮地との共同研究による。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
捩れ対の生成については、写像錐による拡大について期待以上の結果を得た。n-複体については、ほぼ当初の計画通りに進んでいる。射の特異圏については、当初に出た結果から新しい進展が少ない。
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Strategy for Future Research Activity |
写像錐による拡大を基軸に、三角圏の可換性を研究する。その際に重要な例として注目しているのが、射空間が可換環上の加群構造をもつ三角圏や可換環のイデアルによって部分圏構造が決定される三角圏である。
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