2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540053
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
加藤 希理子 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00347478)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 環論 / ホモロジー代数 / 圏論 |
Research Abstract |
平成25年度の研究実績は、以下の通りである。 (1)N-複体に関するもの:鎖複体(2-複体)を一般化したN-複体の導来圏を構成し、その三角圏構造を明らかにした。得られた結論は、次の通り。環上のN複体の導来圏は、拡大環である(N-1)次上半行列環の古典的な鎖複体(2-複体)の導来圏と三角同値である。N-複体は、Hochschild コホモロジーやHopf代数など様々な理由から研究されている。研究代表者らがN-複体に注目した動機は、ルコルマン多角形を自然に持つ三角圏として知られていないものを構成することであった。その意味では予想外の展開となったが、N-複体の今後の研究には一石を投じることとなった。 (2)三角圏の貼り合せに関するもの:与えられた三角圏Tにおいて、三角部分圏の対U,Vの貼り合せU*Vは三角部分圏になるための条件を調べた。その結果、U*Vが三角部分圏になる必要十分条件は、UとVの交叉による商圏において、これらが反直交的であること、すなわちUからVへの射が自明なものしかないことを同値であることを得た。特に、T=U*Vなる対(U,V)は、商圏における安定t構造と一対一に対応する。更に、T=U*V=V*Wなる三つ組、T=U*V=V*W=W*Uなる三つ組はそれぞれ、安定t構造の高次元化であるルコルマン、ルコルマン三角形を商圏において構成することがわかった。この事実は、貼り合わせが三角圏であるような対が、捩れ対の一般化として捉えられることを意味する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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