2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540054
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
後藤 四郎 明治大学, 理工学部, 教授 (50060091)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大関 一秀 明治大学, 研究・知財戦略機構, ポスト・ドクター (70445849)
居相 真一郎 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50333125)
|
Keywords | 可換環 / Cohen-Macaulay環 / generalized Cohen-Macaulay環 / Hilbert函数とHilbert係数 / almost Gorenstein環 / Ulrichイデアル/加群 |
Research Abstract |
本研究の目的は,第一に,Cohen-Macaulay性・Gorenstein性だけでなく,Buchsbaum性など非Cohen-Macaulay性解析を通して局所環論を深化・発展させることにある。関連領域への応用と展開を図りながら,第二に,イタリア・インド・ベトナム・アメリカなどの研究者との連携を深め,6回の実績を持つThe Japan-Vietnam Joint Seminarを発展させ,日本を基点にした可換環論研究の国際的展開を実現することである。平成23年度は,具体的な下記2課題に挑戦した。 課題(1)局所環(A,m)内の巴系イデアルQのHilbert函数とHilbert係数e_i(Q)(0≦i≦d=dimA)を解析し,これらの不変量の挙動や消滅が環Aの構造に与える影響を解明する。 課題(2)局所環(A,m)内の巴系イデアルQに対し,その冪のRees代数環R(Q^n)(n≧1)がGorenstein環となるための判定条件を記述する。 居相真一郎とともに課題(2)に取組み,標準巴系イデアルQに対し,そのRees代数R(Q^n)がGorenstein環となるような環AとQの特徴づけを完成した。大関一秀とは,Ulrich加群とイデアルに関する基礎理論の整備に従事した。併せて,1次元のCohen-Macaulay局所環内の正準イデアルのHilbert係数を解析し,almost Gorenstein環の理論を,解析的に分岐するような局所環に拡張することに成功した。これらはどちらも課題(1)の発展・応用である。居相真一郎は「明治大学可換環論セミナー」に出席するなど,研究代表者や大関一秀と密接な連絡を保ちつつ,研究を遂行した。研究代表者は情報収集と研究連絡のために,2011年5月にPurdue大学(アメリカ)で開催される国際会議に出席し,成果の発表を行った。 また,主催者の一人として,第7回The Japan-Vietnam Joint SeminarをベトナムのQuy Nhon大学で開催し,講演を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に課題として掲げたテーマについては,ほぼ満足すべき進捗状況にある。特に,高次元のalmost Gorenstein環とUlrichイデアル/加群の理論に対し,今後の方向性を掴むことができたことは,大きな収穫であった。一方で,これらの理論は依然としてCohen-Macaulay環論の枠組みからは大きくはみ出してはおらず,非Cohen-Macaulay性解析の手ごわさが実感される。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方向は,まず,高次元のalmost Gorenstein環とUlrichイデアル/加群の理論の発展と精密化に置く。一方で,Cohen-Macaulay環の拡張概念であるsequentially Cohen-Macaulay環の構造解析に着手したいと考える。sequentially Cohen-Macaulay環のある種の巴系イデアルの挙動や(極大イデアルに対し準素である)イデアルに随伴する各種次数環の構造解析を行い,非Cohen-Macaulay環論の新たな展開と独自の発展を目指す。
|
Research Products
(8 results)