2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540058
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
和久井 道久 関西大学, システム理工学部, 准教授 (60252574)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 代数学 / トポロジー / 環論 / 表現論 / ホップ代数 / 結び目 |
Research Abstract |
2010年に出版された論文において代表者により導入されたホップ代数の多項式不変量は、そのホップ代数の基礎体を係数環とする多項式として与えられる圏論的な不変量である。つまり、2つのホップ代数の表現圏がテンソル圏として同値ならば同じ多項式になる。この多項式不変量は、ホップ代数の(表現圏の)組み紐構造を用いて定義され、ある条件下では整数係数になり、また、表現環が同型であるような多くのホップ代数の表現圏を区別するなど、非常に興味深い性質を持つ。 今年度は、この多項式不変量に関する2つのトピックの研究を行った。1つは、シュレディンガー表現と呼ばれる、ホップ代数の量子二重化の特別な表現を用いて定義される不変量の考察である。これは、多項式不変量のある特別な因子だけを見ていることに相当する。清水健一氏により、量子二重化の正則表現ではホップ代数とその双対ホップ代数との差を捉えることができないことが知られているが、今回、シュレディンガー表現を用いるとそれらを区別できるときがあることがわかった。昨年度からの研究により、シュレディンガー表現自体、ホップ代数の表現圏のテンソル同値不変量であることがわかるが、上で述べた結果は、同じテンソル同値不変量であっても、正則表現に比べてシュレディンガー表現はより繊細であることを示唆している。 もう1つのトピックは、ホップ代数の球面構造を用いた多項式不変量の変種の考察である。考察を進める中で、ホップ代数の球面構造は意外にも少ないことがわかったので、球面構造よりも条件の緩いピボタル構造を用いて多項式不変量の変種を定義し、その基本的な性質を調べ、計算を行った。残念ながら、組み紐構造を用いた元々の多項式不変量では違いを捉えることができていた2つのホップ代数が、ピボタル構造を用いた変種では同じ多項式になってしまうことがあることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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