2011 Fiscal Year Annual Research Report
アファイン微分幾何を核とする部分多様体論、可積分系、変分法の相互作用
Project/Area Number |
22540070
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
藤岡 敦 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (30293335)
|
Keywords | アファイン微分幾何 / 部分多様体論 / 可積分系 / 変分法 |
Research Abstract |
有限次元の完全積分可能系はしばしば双ハミルトン構造をもち、このことが多くの保存量の存在を保証しているとも言える。このようなことは無限次元の完全積分可能系として捉えることの可能な曲線の運動についても当然期待されることである。曲線の運動のハミルトン系としての特徴付けに関して、平成22年度までの研究では複素双曲線上の閉曲線のなす空間に導入される無限個の前シンプレクティック構造について概ね満足のいく結果を得ていたが、平成23年度では同様なことが等積中心アファイン平面閉曲線のなす空間の場合にも期待できるのではないかと研究を進めた。既に平成22年度までの研究で複数個の前シンプレクティック構造を導入できることは分かっていたが、平成23年度の研究ではこの場合にも無限個の前シンプレクティック構造を導入できそうなことが分かってきた。ただし現段階ではまだ幾何学的に整備しなければならないことも多く、残る部分については平成24年度の研究課題としたい。 アファイン微分幾何の一種である中心アファイン微分幾何において、平坦な中心アファイン計量をもつ中心アファイン超曲面に対する積分可能条件は位相的場の理論における結合性の方程式と同値であることが知られており、このような超曲面全体は所謂可積分系であると言える。平成23年度の研究では平坦な中心アファイン曲面とそれに対応する結合性の方程式との関係について研究した。特に、結合性の方程式の次数の低い多項式解との関係を調べ、様々な条件の下で平坦な中心アファイン極小曲面が現れることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多重ハミルトン構造も含めた種々の曲線の運動のハミルトン系としての特徴付けに関して、新たな課題が見つかったため、進展が遅くなった。具体的には、等積中心アファイン閉曲線のなす空間またはその適当な部分集合に導入される前シンプレクティック構造が閉であることを示す際に、より見通しの良い証明を見つけるべく更に考察を続けて行きたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に新たに見つかった課題に関して、等積中心アファイン閉曲線のなす空間またはその適当な部分集合に導入される前シンプレクティック構造が閉であることを示す際に、より見通しの良い証明を見つけるべく更に考察を続けるため、主に関西学院大学の黒瀬俊氏との共同研究を進め、種々の曲線の運動のハミルトン系としての特徴付けを多重ハミルトン構造も含めて理解していく。
|
Research Products
(5 results)