2012 Fiscal Year Annual Research Report
アファイン微分幾何を核とする部分多様体論、可積分系、変分法の相互作用
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22540070
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
藤岡 敦 関西大学, システム理工学部, 教授 (30293335)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | アファイン微分幾何 / 部分多様体論 / 可積分系 / 変分法 |
Research Abstract |
曲線の運動のハミルトン系としての特徴付けに関して、平成23年度までの研究を更に発展させ、平成24年度では等積中心アファイン平面閉曲線のなす空間に付随する多重ハミルトン構造について考察した。可積分な発展方程式として知られるコルテヴェーグ・ド・フリース方程式は等積中心アファイン平面曲線の運動に付随しても現れるが、主な結果として、この方程式を無限次元ハミルトン系として記述する際に現れるハミルトン関数を用いて等積中心アファイン平面閉曲線のなす空間の等位集合を考え、これらの集合がいわゆる多重ハミルトン構造を持つことを示したことである。 平成23年度までの研究においては、アファイン微分幾何の一種である中心アファイン微分幾何に注目し、特に中心アファイン曲面について考察してきたが、平成24年度では射影微分幾何との関連についても考察を行った。3次元実射影空間内の曲面は自然に3次元アファイン空間内のアファイン曲面ともみなすことができる。射影微分幾何においては射影極小曲面、等温漸近的曲面など可積分系と関わる曲面族が古くから知られているが、これらと中心アファイン曲面、とくに中心アファイン極小曲面や平坦な中心アファイン曲面といった、可積分系と関わる曲面族との関連はほとんど知られていないようである。このような背景の下、研究代表者自身によって発見されていた中心アファイン極小曲面を射影極小曲面や等温漸近的曲面の言葉で特徴付けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
等積中心アファイン平面閉曲線のなす空間に付随する多重ハミルトン構造については、まだ整理すべき点が多く課題が残っているが、中心アファイン曲面に関する研究については射影微分幾何との関連も見えつつあり、今後の進展が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
等積中心アファイン平面閉曲線のなす空間に付随する多重ハミルトン構造については、得られた結果を整理した上で平成25年度中にまとめたい。中心アファイン曲面に関する研究については射影微分幾何との関連について、余次元の高いものも含めて考察していきたい。
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Research Products
(8 results)