2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
印南 信宏 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20160145)
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Keywords | リーマン幾何学 / 測地線の幾何学 / トポノゴフの定理 / カットローカス / コンジュゲートローカス / 極 / 最小シュタイナー木 / シュタイナー比 |
Research Abstract |
完備リーマン多様体Mの断面曲率が定数c以上であるとする。曲率が定数cである完備単連結曲面をM(c)とする。トポノゴフの比較定理は次のように述べられる。M上の測地三角形に対して,対応する三辺が同じ長さである三角形をM(c)上に作るとき,対応する内角は,Mの三角形のものよりも大きくならない。この定理を基点つき完備リーマン多様体のラジアル曲率と平面に同相な回転面の曲率との比較があれば,頂点の1つが基点である三角形に対して,同様のことが成り立つことを証明した。 極を持つ完備リーマン多様体の極の集合の大きさをフォンマンゴルト曲面と比較する方法で評価した。その際に,カットローカスとコンジュゲートローカスの交わりが問題となるが,ラウチ,ワインシュタイン,クリンゲンバーグ等の定理の一般化を証明した。この応用として,極を持つ完備リーマン多様体において,極でない点では,接カットローカスと接コンジュゲートローカスは共通点を持つことを証明し,極の集合の大きさの評価につながった。 離散数学分野では,曲率が非負の曲面M上の有限点に対する最小シュタイナー木に対して,次の結果を得た。与えられたM上の有限点に対して,適当なインマースド多角形を考える。そのとき,この多角形の中での最小全域木と同じ長さの最小全域木を持ち最小シュタイナー木の長さが短くなるユークリッド平面のインマースド多角形が存在する。これにより,シュタイナー比の比較定理がある程度できあがった。
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