2011 Fiscal Year Annual Research Report
有理ホモロジー球面の摂動的不変量の解析的、幾何学的性質の研究
Project/Area Number |
22540073
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高田 敏恵 九州大学, 大学院・数理学研究院, 准教授 (40253398)
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Keywords | 3次元多様体 / LMO不変量 / weight system / free energy |
Research Abstract |
GaroufalidisとLeによって、有理ホモロジー球面のSU(N) free energyの任意の種数に対する項が原点の周りにおいて解析的であることを示され、更に、レンズ空間のSU(N) free energyの明確な公式が与えられた。以前の研究で、レンズ空間に対するSO(N)およびSp(N)freeenergyの明確な公式を与え、原点の周りでの解析性を示した。しかし、他の多様体についての明確な公式はなく、解析性をもつ領域など解析的性質の詳しい情報は知られていない。 今年度の研究では、ザイフェルトホモロジー球面のSU(N) free energyの公式について研究を行った。Bar-NatanとLawrenceによって、ザイフェルトホモロジー球面のLMO不変量の公式が与えられ、それは自明な結び目のkontsevich不変量Ω(wheelと呼ばれる1つのループに偶数本の辺がついているopen Jacobi図の無限和)をもちいてあらわされ、wheelにSU(N)に付随するweight systemを適用することによって摂動的不変量がえられる。よってwheelについての計算が、ザイフェルトホモロジー球面に対する明確なfree energyの公式を求める鍵となる。本研究では、SU(N)、SO(N),Sp(N) weight systemの組み合わせ的計算法を利用することによって、free energyの種数がOに対する項について考察を行った。特に、SU(N)の場合、Oに対する項の計算とグラフとの関連を発見し、具体的計算の手掛かりとなる公式を発見した。 また、摂動的不変量の具体的計算のため、量子不変量とHenning不変量との関連に着目した。これは、ある条件をみたす、量子群の中心を求めることに帰着される。特に、sl(2)に付随した量子群の中心の明確な公式を利用することにより、WRT不変量の中心を利用した代数的公式を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想より、計算が複雑であり、具体的な計算に帰着するためのキーとなる公式を得るまでに時間かかかり、実際の具体的計算に至らなかった、別の方向での計算を取り組むために、その理論の理解し、公式を得るために時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で具体的な計算を実行する公式を得たので、それをもとにザイフェルト球面についてのfree energyのPlanar limitのできるだけ明確な公式に務める。また、本研究で行った量子不変量の代数的公式からのアプローチにいても、一般のLie環について実行することにより、摂動的不変量の性質を研究する。
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Research Products
(3 results)