2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540074
|
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
高瀬 将道 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (30447718)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 微分位相幾何学 |
Research Abstract |
微分可能写像の特異点理論を用いて、多様体のトポロジーを研究した。高次元トポロジーと低次元トポロジー、微分トポロジーと代数的トポロジーを行き来する研究を目指した。 n次元多様体からn次元空間への折り目写像のボルディズム群は球面のn次安定ホモトピー群に同型である。安定ホモトピー群に定義される合成および戸田括弧積に対応する、折り目写像の操作を幾何的に定義した。これにいくつかの考察を加え、長野工業高等専門学校の平戸良弘氏との共著論文としてまとめたものが、Fundamenta Mathematicae 216 (2012)に掲載された。 有向7次元多様体から8次元空間へのはめ込みのボルディズム類を、そのはめ込みを有向コンパクト8次元多様体からのジェネリック写像に拡張する際に現れる特異点の情報から読み取る公式を与えた。これを論文にまとめたものが、Mathematische Zeitschrift 272 (2012)に掲載された。この論文はThom多項式の相対版を定式化する試みを少し含んでいる。 古典的結び目の図式に対して、その種数を減らすある変形を定義し、考察した。主要なアイディアはTuraevが近年導入したknotoidから来ているが、主定理の証明には仮想結び目を用いた議論が必要となった。これを信州大学の大黒顕司氏と境圭一氏との共著論文としてまとめたものの、Indiana University Mathematics Journal 61 (2012)への掲載が決定している。 そのほか、スペシャルジェネリック写像のはめ込みへの持ち上げについて、九州大学の佐伯修氏との共同研究を始めた。また、Bulletin of the London Mathematical Society 43 (2011)に掲載されたTobias Ekholmとの共著論文の結果を一般化する試みを企てている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
元々達成度が測りにくい研究、目的であるから、満足であるとは言いきるのは常に難しい。しかしながら、複数の共同研究の端緒を見出していることなど一部で計画以上の進展があったことと研究発表の事情が順調であることを考慮して「おおむね順調に進展している」と自己評価を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでのところはおおむね順調に進展していると自己評価しているので、今後もおおむね順調に進展させるべく、これまで通り健康に留意しながら多くの研究者との交流を大切にし、独自の研究を推進する。
|