2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540079
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岸本 大祐 京都大学, 理学研究科, 准教授 (60402765)
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Keywords | トポロジー / ホモトピー論 |
Research Abstract |
私の研究はホップ空間の積構造とその応用についてなされる。Gを位相群とし、Pを空間K上の主G束とする。Pのゲージ群G(P)とはPの自己同型、つまり、PのG同変自己写像であり、Kの恒等写像の持ち上げとなるもののなす位相群のことをいう。当然その定義からG(P)はGの性質を引き継ぐものと考えられる。私はそれがどのように引き継がれるのかについて研究する。リー群のトポロジーを研究する際に重要となるのは、リー群のmod p分解と呼ばれる空間の積による分解である。これまでに、私と河野明氏との共同研究や,S.D.Theriault氏による研究により、特殊な場合にはGのmod p分解がG(P)のmodp分解を導くことがわかっている。私は河野明氏と蔦谷充伸氏との共同研究により、底空間Kがある次元の球面のときにG(P)のmod p分解を与えた。この結果は上記のTheriault氏の結果を含んでいる。その応用として、PがK上の主G束全体をわたるときのG(P)のホモトピー型の個数や、Pの随伴束とmod p分解の関係に関する結果を得た。また、私は河野明氏と長尾有晃氏との共同研究でシンプレクティック群Sp(n)の自己写像のホモトピー類のなす群の構造についての研究も行った。上記ふたつの研究において重要となるのは非安定Adams作用素と呼ばれる局所化されたリー群の分類空間の自己写像であり、これはD.SullivanによるAdams予想の解決の際に構成されたものである。私がこれまで得た結果により、非安定Adams作用素はリー群の非可換性と密接に関わっていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲージ群のmod p分解により研究目的であるゲージ群のホモトピー型に関する結果を得たから。また、これにより、多くの重要な例を構成できると考えられるから。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲージ群のホモトピー型を研究する上で重要になるのは、評価ファイブレーションの連結写像であり、これは(高次の)Whitehead積で表されることが知られている。高次Whitehead積を定義する際に現れる空間polyhedral productは昨今のトーリックトポロジーの発展により再評価され、数多くの結果が得られている。今後はこのpolyhedral productのホモトピー論的研究を進めることにより、ゲージ群の研究を推進する。また、Grayによるco-H空間へのWhitehead積の一般化の性質を調べることによりベキ零性の研究を進める。
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Research Products
(1 results)