2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22540080
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 毅 京都大学, 理学研究科, 教授 (20273427)
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Keywords | ゲージ理論 / 無限群 / 概正則曲線 |
Research Abstract |
今年度までの研究結果において、無限次元多様体をターゲットとした非コンパクト空間への正則曲線に関する、非線形偏微分方程式のモジュライ理論の構成を行った。特にターゲットの空間に高い対称性を仮定することで、モジュライ空間のフレドホルム理論とそのコンパクト性、さらに構造の微小変形に関する安定性を導くことができた。それは関数解析的な枠組みにおけるアイデアに基づいており、この手法はモジュライ理論の一般的な枠組みでなされてなされているため、そこでの構成の一部はサイバーグウイッテン理論などのゲージ理論に非コンパクト空間上でも適用できる。今後はモジュライ理論の構成の続きとして、非コンパクト空間上のモジュライ空間を構成する解の構成を行う。さらにモジュライ空間への群作用の大域的な性質を研究する。線形の場合、アティヤの$\Gamma$指数定理を用いることで調和L^2微分形式の存在を示すことができるが、ここでもその考え方を用いる。そのために非線形偏微分方程式のモジュライ理論での$¥Gamma$指数定理を構成する。基本的には無限個の点の群作用に関する平均に相当する量を導くことを行う。それを達成するためには点列が集積しないことが必要であるが、それは一般には成立しない可能性がある。一方で解の存在のみを示す場合、等式の意味での$¥Gamma$指数定理そのものは必要なく、$¥Gamma$指数不等式のようなある種の評価のみを示せば良い。またさらに、群作用の変形に関する研究を行う。一般に離散的な対象である基本群の変形理論はまだほとんど構成されていないが、ここではモジュライ空間への作用に限定することで偏微分方程式の解構造が変形によってどのように変化するか研究を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無限次元空間をターゲットとするモジュライ空間の解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
非コンパクト空間をターゲットとするモジュライ空間の解の構成を行う。
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