2011 Fiscal Year Annual Research Report
微分形式の定める幾何構造(カラビーヤウ、一般化されたケーラー構造)の研究
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22540082
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 竜司 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30252571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 明 大阪大学, 理学研究科, 教授 (80027383)
小木曽 啓示 大阪大学, 理学研究科, 教授 (40224133)
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Keywords | 一般化された幾何学 / 一般化されたケーラー構造 / 接触構造 / 佐々木構造 / ポアソン構造 / 変形理論 |
Research Abstract |
重み付き一般化されたケーラー構造と一般化された佐々木構造 一般化されたケーラー構造はノン-ケーラーでありながら、(一般化された意味で)ホッジ分解が成立し、また数理物理において、N=(2,2)超対称シグマモデルにおけるターゲット空間のもつ幾何構造であることが示されている.また、双エルミート構造と同値な幾何構造である.一般化されたケーラー構造はその重要性にもかかわらず、自明な例以外ほとんど得られていない状況であったが、著者の研究により、コンパクトなケーラー多様体上に正則なポアソン構造があれば、変形理論により、非自明な一般化されたケーラー構造が得られることが示された. R.Goto, "Deformations of generalized complex and Kaeher structures", J.Differential Geometry, Vol.84, No.84(2010)pp.525-560. 一般化された複素構造、一般化されたケーラー構造は偶数次元多様体上の幾何構造であり、奇数次元多様体上の一般化された幾何学は現在まだ、未開発の状態である. 今年度は奇数次元多様体上の一般化された幾何構造について研究を進めた.奇数次元多様体上の代表的な幾何構造として接触構造、概接触構造、佐々木構造がある.これらはそれぞれ、コーン多様体上のシンプレクティック構造、概複素構造、ケーラー構造にそれぞれ対応する.この対応に基づき、ピュアスピノルを用いて、奇数次元多様体上に一般化された接触構造、また一般化された佐々木構造を定義した.上記、正則なポアソン構造を使った変形理論を適用することにより、非自明な一般化された佐々木構造を構成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
奇数次元多様体の幾何構造をクリフォード代数、ピュアスピノルを使って完全に記述し、その積分条件を微分形式を使って書き下した.奇数次元多様体特有の幾何を身につけるために多くの時間を割いたが、おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
奇数次元多様体の一般化された幾何学について得られた結果を論文にまとめる予定である.さらに、ノンケーラー多様体の幾何学、一般化された正則ベクトル束の研究に進む予定である.
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Research Products
(4 results)