2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540092
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
相馬 輝彦 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (50154688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大鹿 健一 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70183225)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | クライン群 / 双曲多様体 / 幾何的極限 / スメール予想 / エノン写像 / ヘテロ次元接触 |
Research Abstract |
本研究課題である,幾何的有限なクライン群の幾何的極限の分類については,大鹿健一氏(大阪大学)と共同で,継続的に研究を続けている.結果の第一段階は,論文としてまとめ現在論文誌に投稿中である. D. McCullough 氏(オクラホマ大学)との共同研究で,双曲構造を持つ軌道面を底空間として持つザイフェルト閉多様体 M に対して,Smale 予想が正しいことを証明した.すなわち,このような多様体の等長変換群の恒等成分から微分同相写像の恒等成分への包含写像はホモトピー同値写像であることが証明できた.この定理の証明には,一つの正則ファイバーが生成する M の基本群の巡回部分群に同伴する M の被覆が双曲平面に擬等長的であるという事実を使う.本研究代表者は2006年に,P. Scott による無限基本群を持つザイフェルト多様体の剛性定理に対する別証明を与えている.そのとき証明した「フックス群は絶縁条件をみたす」という事実が,今回の Smale 予想を解決する上で重要な役割を果たした.この結果は,J. Differential Geom. 93 (2013) から発表された.今後この議論を一般化して,ユーックリッド構造を持つ軌道面を底空間として持つザイフェルト閉多様体に対しても Smale 予想が正しいことを証明したい. さらに,桐木紳氏(京都教育大学)との共同研究で,あるC2級の開条件をみたす微分同相写像は,C2-ロバスト・ヘテロ次元サイクル上のC2-ロバスト・ヘテロ次元接触を持つ微分同相写像でC2近似できることを証明した.この定理は,ロバストなヘテロ次元接触の存在を証明した初めてのものである.この結果は,Nonlinearity 25 (2012) から発表された.今後この結果を一般化して,さらに広い範囲の微分同相写像が,ロバスト・ヘテロ次元接触を持つことを証明したい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クライン群の幾何的極限の位相的・幾何的分類は特殊な場合が完成し,一般的な場合に拡張されつつある.また,この分類定理は応用され始めている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後とも,共同研究者の大鹿健一氏と情報を交換しながら研究を推進していく.同時に,幾何構造を持つ3次元閉多様体に関する Smale 予想の解決を目指す.
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