2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540093
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鎌田 直子 名古屋市立大学, 大学院・システム自然科学研究科, 准教授 (60419687)
|
Keywords | 結び目 / 不変量 |
Research Abstract |
閉曲面上の結び目の安定同値類(twisted link)の不変量であるtwisted quandleを導入した。Quandleは古典的結び目の完全不変量であるが、twisted quandleはtwisted linkの2重被覆のquandleに対応する。Dye、Kauffmanらが導入した仮想結び目の多変数多項式不変量をtwisted linkに拡張し、それと実交点数との関係をTuraev surfaceを利用して示した。この多変数多項式不変量はtwisted linkのf-多項式(Jones多項式)の精密化であり、f-多項式より強力である。また、twisted quandleと多変数多項式不変量を利用して任意の2以上の実交点数の仮想結び目と同値でない仮想結び目と同じ性質のf-多項式をもつ1成分のtwisted linkが存在することを示し、twisted link diagramの同値類を定める同値変形の関係を明らかにした。これらの結果は2010年5月、米国での国際会議、2010年7月に韓国での国際会議、2010年9月のメキシコでの国際会議で発表した。古典的な結び目はcheckerboard colorableであるが、twisted link diagramにはcheckerboard colorableでないものもある。checkerboard colorableなtwisted link diagramの集合は古典的結び目とtwisted linkを結ぶクラスで、twisted linkの研究の糸口となる。2つのcheckerboard colorableなtwisted link diagramが同値ならば、それらはcheckerboard colorabilityを保つ同値変形で移り合えることを示した。この成果は2011年1月の広島での国際会議で発表した。
|
Research Products
(8 results)