2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540094
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
枡田 幹也 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00143371)
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Keywords | トポロジー / トーリック多様体 / 組合せ論 / シンプレクティック幾何 / 群 / GKMグラフ / ルート系 |
Research Abstract |
2つのトーリック多様体が同型なコホモロジー環をもてば微分同相かと問う問題(コホモロジー剛性問題)がある.トーリック多様体の代数多様体(または複素多様体)としての分類は対応する扇の分類に帰着されるが,微分同相類または単に同相類における分類の研究は進んでいない.これまでコホモロジー剛性問題の反例は見つかっておらず,部分的な肯定的結果が得られているが,外国人特別研究員として滞在していたSuyoung Choi氏と,ある種の条件をみたすポット多様体に対しては,コホモロジー剛性問題が肯定的であることを示した. 石田裕昭氏,福川由貴子氏と2つの共同研究を行った.一つは,トーリック多様体(toric manifold)のトポロジー版(それを,topological toric manifoldと命名した)を導入し,理論を展開した.これまで,トーリック多様体のトポロジー版として,quasitoric manifoldとtorus manifoldが知られていたが,それぞれ欠点があったが,topological toric manifoldは,それらの欠点を克服したもので,トーリック多様体の正統なトポロジー版と思われる.もう1つの共同研究は,古典型の旗多様体に付随するGKMグラフのコホモロジー環の構造の決定である.GKMグラフのコホモロジー環は,対応する旗多様体の同変コホモロジー環と整数係数で同型であることが知られているが,我々は,この事実を使わず,純粋に組合せ論的にGKMグラフのコホモロジー環の構造を決定した.
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