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2012 Fiscal Year Annual Research Report

非可換幾何・特異点・幾何学的漸近解析学の研究

Research Project

Project/Area Number 22540095
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

宮崎 直哉  慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (50315826)

Project Period (FY) 2010-04-01 – 2015-03-31
Keywords非可換幾何 / 幾何学的漸近解析 / 微分幾何 / 特異点論 / 局所指数定理 / 変形量子化 / Poisson幾何 / symplectic幾何
Research Abstract

本年度までの進捗状況では、考察の対象を滑らかな多様体だけでなく特異点を許す代数多様体、スキームにまで広げその対象の上の関数環ならびに構造層についてのPoisson構造方向への変形を行い、その結果として関数環ならびに構造層の代数構造を可換結合的なものから非可換結合的なものへと「量子化」をおこなっている.実際、射影的なスキームについて「量子化」の定義をあたえ、複素射影空間の場合には具体的な正則Poisson構造を用いてその構成例をあたえた.また同様な例の構成は特異点を許す代数多様体である重みつきの射影空間などにも適用が可能と思われ、現時点でその構成をおこない、証明などの正当性を検証している状態にある.通常の代数幾何学においては構造層の構造がわかるとその底空間の構造に関する情報が得られるが、それに同伴する(準)連接層の研究も同時に行われるのがふつうである.我々の場合には環構造が変化を受けているので同伴する(準)連接層の研究にはかなりの影響を与えることが予想されるが、現段階ではそれほどの進展はない.
以上は個人的な研究の概観であるが、それ以外に共同研究においてと3次元の多様体についてそのスピン構造、スピノール構造ならびにディラック作用素を具体的に記述して考察の対象とし、さらにディラック作用素に同伴するエータ関数の特殊値やresidueについて計算を行っており現在進行中のところである.これらの研究は奇数次元多様体の指数定理と関連してきわめて興味深いものと思われる.
付記;科研費の援助のもと「非可換幾何学と数理物理学2012」(日程:2012年9月14日(金曜日)‐9月15日(土曜日)、場所:慶應義塾大学日吉キャンパス来往舎)を開催した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

前年度までに研究を進めてきたものとしては(1)空間(微分可能多様体や代数多様体)のシンプレクティックまたはポアソン構造方向への変形量子化について考察 (2)3次元冪零多様体のディラック作用素の固有値に同伴するエータ関数の特殊値と指数定理に関する考察などがあった.これらの結果については共著「 T. Taniguchi and N. Miyazaki, On non(anti)commutative super twistor spaces, International Journal of Geometric Method in Modern Physics Vol. 7, No. 4 (2010) 655-668. 」ならびに単著「N. Miyazaki, Remarks on deformation quantization, Kyoto University RIMS Kokyuroku 1692, Geometric Mechanics, (2010), 1-16」に記載されているとおりである。前年度本年度はより高次元の射影空間や重みつきの射影空間(所謂、射影トーリック代数多様体の例)などについて形式的変形量子化およびそこにおけるスター積に関する指数関数の計算を行ってきた.現在までに得られた結果を纏め「Symbol calculus on a projective sheaf」をmath.arXivに投稿ずみである.
以上のような状況にありほぼ順調に研究が進んでいると考える.

Strategy for Future Research Activity

平成25年度は滑らかな多様体だけでなく特異点を許す代数多様体、スキームにまで広げられた「量子化」の定義をもとに複素射影空間を含めた対象について関数環ならびに構造層についてのholomorphic Poisson構造方向への変形に関する具体的な例の構成行いたいと考えている.とりわけトーリック多様体や、さらに具体的には特異点を許容する重み付の射影空間について「量子化」を考察していきたいと考えている.構造層を基軸に考えている場合には各々のストークの上での積構造と大域的な積構造とでは定義できるクラスに(古典的な場合と同様)自然に差が生じてくる.それによって変形にかかわるパラメーターについての収束についても、問題が異なってくることも注意をしていくつもりでいる.さらに得られた代数構造に関する積についての指数写像を考えることを目標と据える.とりわけ二次形式に関する指数写像は代数的な微分方程式に帰着できる特別なクラスになることが多く興味深い対象となると思われる.他方、グラスマン代数の非可換版に相当するクリフォード代数についても引き続き3次元多様体の具体例を通して研究を進めていく予定である.すでに述べたとおりハイゼンベルグ多様体をなどにつてその上のスピン構造、スピノール構造から定まるディラック作用素に同伴しているエータ関数につての研究を引き続き行う予定でいる.とりわけレンズ空間についてはエータ関数の留数や特殊値に関する計算が進展途上にあるためになるべくそれについての詳しい計算を行いたいと考えている.

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Symbol calculus on a projective space2013

    • Author(s)
      Naoya Miyazaki
    • Journal Title

      arXiv: [math.DG] 31 Mar 2013

      Volume: 1304.0184v1 Pages: 1-11

URL: 

Published: 2014-07-24  

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