2012 Fiscal Year Annual Research Report
自明結び目のアーク表示をほどくためのクロムウェル変形の回数
Project/Area Number |
22540101
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
林 忠一郎 日本女子大学, 理学部, 教授 (20281321)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 位相幾何学 / 結び目理論 / アーク表示 / クロムウェル変形 / 自明結び目 |
Research Abstract |
自明結び目のアーク表示をほどくために必要な基本変形の回数の最小値を下から評価する研究を行った。アーク表示とは、結び目を水車の各羽根と「軸に両端点を持つ1本のアーク(曲線分)」で交わるように配置したものである。2つのアーク表示が同じ結び目を表すとき、一方に3種の基本変形を上手く組み合わせて適用してもう一方になる。ディニコフは自明結び目をほどく変形はアークの本数を増やすディバイド変形を使わず、本数を変えないエクスチェンジ変形と本数を減らすマージ変形のみで済むことを示した。本研究は、ほどくのに必要な最小変形回数の下界を、最初の表示のアークの本数nの具体的な多項式で与えることが目標であった。そのために、自明結び目のアーク表示をマージ変形するまでに必要なエクスチェンジ変形の最小回数の下界を研究した。既に, アークの本数nの1次式回以上必要な具体例の無限列を得て、論文を執筆中である。アークが7本で1回, 8本で2回, 9本で4回, 10本で7回, 11本で11回必要な具体例をコンピューターで見つけた。階差数列は1,2,3,4…だから、アークの本数nの2次式以上の回数が必要な具体例の無限列が存在するだろうと予想される。また、3次式以上にはならないだろうとも予想して研究を継続中である。 さらに、今年は5本の論文が専門雑誌に掲載された。分離絡み目のダイアグラムの無限列で、分離するのに交差点数の2次式回以上のオーダーのライデマイスター変形が必要である具体例を構成した論文、自明結び目のダイアグラムの無限列の或る具体例に対して、ほどくためのライデマイスター変形の最小変形回数を正確に求め(交差点数の2分の3乗回のオーダー)、その回数でほどく変形列でアンマッチRII変形を含むものを構成した論文、種数1橋数1結び目の外部のヒーガード分解に関して研究した論文2本などである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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