2010 Fiscal Year Annual Research Report
完備多様体から正則断面曲率一定な空間への余次元1等長はめ込みの主曲率と位相
Project/Area Number |
22540106
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
塩濱 勝博 福岡大学, 理学部, 非常勤講師 (20016059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川久保 哲 福岡大学, 理学部, 助教 (80360303)
松浦 望 福岡大学, 理学部, 助教 (00389339)
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Keywords | リーマン計量 / 放射曲率 / リッチ曲率 / 測地線 / ハウスドルフ距離 |
Research Abstract |
本研究の出発点となったHamada-Shiohamaによる正則断面曲率一定な射影空間内の完備実超曲面の大域的な結果を精密化する事に成功した.従来多くの研究者が仮定した主曲率一定と云う条件を廃し,完備性と型作用素及び法ベクトルに関する曲率変換の同時対角化条件から導いた点は重要である. 正則断面曲率一定な双曲空間内の完備実超曲面が距離球面、ホロ球面及び全測地的部分多様体の周りの平行超曲面となる特徴付けを試みているが,射影空間の場合とは本質的に異なり,特に0に近い主曲率の値を制御出来ない.本研究で展開される完備実超曲面の議論は双曲空間の係数体の選択に無関係な統一的観点で展開される点は意義深い. 前年度迄の研究課題『リーマン多様体の放射曲率と位相』に関して、放射曲率の条件下で完備リーマン多様体の測地三角形に関するAlexandrovの凸性定理及びToponogovの比較定理が回転面を参照空間とする場合に成立する為の十分条件を研究した.比較三角形の辺が切断跡と交わる場合の精密な議論を展開し,比較三角形の存在及び角度比較が可能な場合とそうでない場合の見極めが可能となった点は重要である. 放射曲率と位相に関する古典的な問題としてユークリッド空間内のコンパクト部分多様体のモース理論を応用した研究を進め、許洪偉・浙江学教授との共同研究でユークリッド空間内のコンパクト部分多様体のLipschitz-Killing曲率と線形関数の臨界点とその指数の関係でよく知られたGuss-Bonnet-Chernの定理及びChern-Lashofによる全曲率に関する定理に関し、統一的見解の下に纏め直す事に成功した.全曲率の計算の際に基本多項式の絶対評価式に工夫を凝らした結果で,高く評価されるものである.
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