2012 Fiscal Year Annual Research Report
完備多様体から正則断面曲率一定な空間への余次元1等長はめ込みの主曲率と位相
Project/Area Number |
22540106
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
塩濱 勝博 福岡大学, 理学部, 研究員 (20016059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 望 福岡大学, 理学部, 助教 (00389339)
川久保 哲 福岡大学, 理学部, 助教 (80360303)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | リーマン計量 / 主曲率 / フィンスラー多様体 / 測地線 / ハウスドルフ距離 / 線束 / 線叢 / 凸集合 |
Research Abstract |
本年度研究実施計画に基づき,当初の目的の一つであった正則断面曲率一定な双曲空間内の完備実超曲面で、型作用素と曲率変換の固有空間が一致するものの全体像を決定する事に成功し(印南信宏・新潟大教授及び糸川 銚・福岡工業大学教授と共著の論文(2):投稿中),広島大学の幾何学・トポロジー合同セミナセミナーで報告した.この超曲面は双曲空間内の一点又は無限遠点の周りの距離球面であることから,距離関数の研究が基本であった.これらの距離関数はモース関数である.リーマン多様体上の距離関数をモース関数と見なし,コンパクト多様体の位相を調べる研究に発展し,切断跡と共役跡の関係を調べる際に重要なRauch予想について一つの見解を示した(印南信宏・新潟大教授及び曽我敏弘氏との共著論文(1)). この研究に極めて重要な役割を果たすToponogovの比較定理を放射曲率の条件下で調べ(印南信宏・新潟大教授及び釆女裕也氏との共著論文(3)),古典的な直径球面定理を放射曲率に対して証明した(論文(4):投稿中).本研究は更にフィンスラー幾何学へ進展し、完備フィンスラー空間上の凸関数の研究に発展させている.特に,双曲空間内の一点又は無限遠点の周りの距離関数は凸関数である事から,フィンスラー空間上の凸集合の研究も進めている.フィンスラー幾何学研究集会に参加し,完備フィンスラー多様体上の凸関数と位相の研究について報告した.凸関数の研究に於いては,リーマン幾何学とフィンスラー幾何学の本質的な相違が現れる事が分りつつある.リーマン幾何学研究の更なる進展を求めて,四川大学で開催された日中友好幾何学シンポジウムにも参加し,中国の幾何学者と情報交換を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な空間内の超曲面を距離関数や凸関数の等位集合として捉える事により,フィンスラー空間内の凸性等の新たな進展が望まれるから.
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Strategy for Future Research Activity |
リーマン多様体上の凸関数の概念は様々な方法で拡張されている.例えば、線形関数,quasi convex functions, 局所凸関数,peakless functions, locally convex filtrations 等である.フィンスラー多様体の上でこれらの関数を考察したとき,様々な凸関数が多様体の構造にどのような影響を与えるかを研究する.これらの関数の等位集合は主曲率非負の超曲面である.本研究がこのような方向に発展していく事が見て取れるだろう.
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