2013 Fiscal Year Annual Research Report
確率微分方程式の高次近似理論とそのファイナンスへの応用
Project/Area Number |
22540115
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
二宮 祥一 東京工業大学, イノベーションマネジメント研究科, 教授 (70313377)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 確率微分方程式 / 弱近似 / シミュレーション / 数理ファイナンス / 金融派生商品 / 高頻度取引 |
Research Abstract |
本研究は確率微分方程式(以下SDEと略す)の高次弱近似を実現するアルゴリズムと理論に関するものである。我々はこの分野で楠岡近似と呼ばれる手法の開発と実現をしてきた。本年度の研究成果としては以下の4点について進展があった。このうち[1]-[3] は当初の研究計画をしていたときに予想された範囲にはいるものであるが、[4]はこの研究から生じたまったく予想しなかったものである。[1] バリアオプションの場合に適用できるように楠岡近似を拡張したアルゴリズムを複数開発しそれらの数値的検証を更に多くの例で確認した. その一部は計算機プログラムライブラリとしている. [2] SDEの弱近似について、記号的に7次の近似、すなわち解析的な意味では3次の近似を実現する新しい近似アルゴリズムを発見した。[3] 我々が発見した二つの楠岡近似のアルゴリズムはいずれもその中で常微分方程式を解く必要がある。この内 Ninomiya-Ninomiya により発見されたアルゴリズムはその常微分方程式の形が複雑となることが多い為、Runge-Kutta法の様な数値的手法に頼ることとなるが、適切な疑似測度変換を用いるとこの常微分方程式が求積できてしまうことがあることに注意し、ファイナンスにおいて最も重要なモデルのひとつであるHeston modelの場合についてこのような変換を求めることに成功した。[4] SDEの高次弱近似に対する我々のアプローチにおいて重要な役割を果すのが反復積分である。我々は近年、金融取引の世界で非常に重要となっている所謂「高頻度取引」(以下HFTと略す)の分野に於いて情報に時差が生じるという現象を検出するのにこの反復積分を利用した指標を用いることができることを実データから発見した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)