2011 Fiscal Year Annual Research Report
Rauzy fractal領域の境界に関する構造研究
Project/Area Number |
22540117
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
古門 麻貴 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 助手 (20303068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 俊次 金沢大学, 自然科学研究科, 研究員 (30055321)
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Keywords | フラクタル境界 / 自己同型変換 / マルコフ変換 / キャンセレーション問題 / 準周期タイリング |
Research Abstract |
本年度は、rank 4, totally real, non-Pisot, unimodular, irreducibleなsubstitution,特に、4-interval exchange変換上のRauzy inductionから生成されるsubstitutionのうち、周期8のものに取り組んだ。周期が8であることから、8種類のsubstitutionが導かれるが、各substitutionから定まるタイリングsubstitutionを用いて、自然にタイリングを生成することができるかどうか、また、各タイリングの間の関係はどうなっているかについて研究を集中させた。 その結果、周期8のクラスにおいて、(平行四辺形によるタイリングではなく)平行四辺形のブロッキングからなる多角形によるタイリングを生成すること(タイルのブロッキング法の確立)に成功した。また、各substitution間の関係も、Rauzy inductionから生成されるsubstitutionから説明ができること、そして、すでに用いてきたboundary endomorphismの手法も有効であることも明らかにした。 これは、rank 4, totally real, non-Pisot, unimodular, irreducibleなsubstitutionのうち、4-interval exchange変換上のRauzy inductionから生成されるsubstitutionである周期8のクラスの上で、boundary endomorphismのキャンセレーション問題に取り組むための準備を整えることができた点で、意義あるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
rank 4のtotally real, non-Pisot, unimodular irreducible substitutionの中で興味深いRauzy fractal領域、およびその境界を記述する自己同型写像θが発見されたことは概要で述べた。今後は、この境界のブロッキング化について、引き続き考察していくこととなる。
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Strategy for Future Research Activity |
rank 4で得た結果をもとに、境界を生成するhyperbolicな自己同型変換θについて、キャンセレーション問題を解決するようなブロッキングを具体的に求めることを課題としている。
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