2011 Fiscal Year Annual Research Report
不動点理論を介した非線形解析・凸解析の究明及び均衡問題・非線形最適化問題への応用
Project/Area Number |
22540120
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
厚芝 幸子 山梨大学, 教育人間科学部, 准教授 (20327761)
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Keywords | 凸解析 / 不動点 / 非拡大写像 / 収束 / 非拡大半群 / 最適化問題 / 均衡問題 / ハイブリッド写像 |
Research Abstract |
本研究では,不動点定理・不動点理論に関する非線関数解析学・凸解析学の基礎理論を体系的に構成する研究を行った.さらに不動点理論・不動点近似の立場から非線形最適化問題,均衡問題を再構成し,不動点の存在・不動点近似の研究をすすめるとともに,非線形最適化問題や均衡問題の解への収束定理の確立を目指して研究してきた.特に平成23年度は平均の概念も用いない新たな手法による非拡大半群の共通不動点近似に力を入れた.その他,最近有効性が注目されつつあるPointwisea symptotically nonexpansive mappingsの不動点近似の研究にも力を入れた.平成23年度はこの写像族の共通不動点への弱および強収束定理を示し,さらにその点列に関し,不動点集合が空でないための必要十分条件を確立した.他にも非線形問題には有効と見込まれる写像の基礎的性質の研究からはじめ,その写像族の共通不動点への強収束定理を導く研究に力を入れた.これらに関し,いくつも有効な研究成果を得られ,平成23年度中に国内外の雑誌に論文掲載されたもの,論文掲載が決定して印刷中のものがある.その主要なものは以下の研究成果である.平均の概念も用いない新たな手法によるBrowder typeの不動点近似法を非拡大半群に適用し,abstract semigroupに対する共通不動点への強収束定理を示した.さらに平均の概念も用いない新たな手法によるviscosity approximation methodsを非拡大半群に適用し,非拡大半群の共通不動点への強収束定理を示し,変分不等式の解への強収束定理も示した.また,これらの成果は国内外の雑誌で公表され,国内外の研究集会で発表して大変関心を持たれた.これらの事は,本研究が順当に進み,成果をあげられたことを裏付け,今後の発展的な研究に結びつくことも裏づけているといえる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した通り,最近その有効性が注目されつつある写像の基礎的性質の研究や,その写像およびその写像族の不動点への収束定理,不動点近似の研究の成果が得られた.さらにそれの他にも,最近研究されつつある写像であるPointwisea symptotically nonexpansive mappingおよびその写像族の不動点近似の研究成果が得られたので,その分,計画よりもさらに進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでいるので,平成23年度までの研究成果も基にしながら,発展的に,generalized hybrid写像等まだあまり研究されていないが均衡問題・非線形最適化問題等の非線形問題には有効と見込まれる写像・作用素をHalpern type法やshrinking projection法,Hybrid法,Browder type法等の点列近似法及びそれらから新たに考えた点列近似法などの不動点近似法に適用し,その写像やその写像族に対する不動点近似の研究をする.さらにそれらのもつ意味,重要性を考察し,本質を見極め,これらの写像に関する統一的な理論体系およびその写像の不動点近似の基礎理論を構築する.その研究を基にして,均衡問題・非線形最適化問題等の非線形問題への応用の足掛かりを築く研究をすすめる.
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Research Products
(11 results)