2012 Fiscal Year Annual Research Report
不動点理論を介した非線形解析・凸解析の究明及び均衡問題・非線形最適化問題への応用
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22540120
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
厚芝 幸子 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20327761)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 不動点 / 凸解析 / 非拡大写像 / 収束 / 非拡大半群 / 最適化問題 / 均衡問題 / attractive point |
Research Abstract |
本研究では, 不動点定理・不動点理論に関する非線関数解析学・凸解析学の基礎理論を体系的に確立する研究を行い, それも基にして不動点理論・不動点近似の立場から非線形最適化問題, 均衡問題を再構成し, 不動点の存在・不動点近似に関して研究してきた. それを基に, 非線形最適化問題や均衡問題の解への収束定理を確立することを念頭に, 新たに導入したcommon attrative pointへの収束定理も研究してきた. 平成24年度に得られた成果の主要なものは以下の成果である. 不動点集合を一般化した, 非拡大半群に対するcommon attrative point setをあらたに導入し, 非拡大半群のcommon attrative pointへの非線形エルゴード定理を証明した. また平均の概念も用いない新たな手法によるBrowder typeの不動点近似法を研究し, それにより, Uniformly asymptotically regular nonexpansive semigroupの共通不動点への強収束定理をHilbert空間で示した. さらに, Banach空間においてその半群の共通不動点への強収束定理を示した. また, 非線形問題には有効と見込まれることから, 写像族に対するcommon attrative point近似の研究に力を入れ, いくつかの点列近似法を適用し, 収束定理を研究してきた. これらに関し, いくつも有効な研究成果を得られ, 平成24年度中に国内外の雑誌に論文掲載されたもの, 論文掲載が決定して印刷中のものがある. また, これらの成果は国内外の雑誌で公表され, 国内外の研究集会で発表して大変関心を持たれた. これらの事は本研究が順当に進み, 成果をあげられたことを裏付け, 今後の発展的な研究に結びつくことも裏づけているといえる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した当初の計画事項は進められたし, さらに当初計画の先のことも含めていくつもの研究成果が得られ, それらは平成24年度中に国内外の雑誌に論文掲載されたもの, 論文掲載が決定して印刷中のものがある. また, これらの成果は国内外の雑誌で公表されたり, 国内外の研究集会で発表して大変関心を持たれた. これらの事は, 本研究が順調に進み, 成果をあげたことを意味し, 今後の発展的な研究に結びつくことも裏づけているといえる. 具体的には以下の状況であり, 順調に進展している. 交付申請書に記載した通り, あまり研究されていないが均衡問題・非線形最適化問題等の非線形問題には有効と見込まれる写像に対しての平均収束定理や不動点近似の成果を得た. 非線形問題への応用が見込まれる, 不動点集合を一般化したattractive point setを非拡大半群に対してあらたに導入し, その基礎性質から研究し, 非拡大半群のcommon attrative pointへの非線形エルゴード定理も証明した. それにより, 非線形問題への応用の足掛かりを築けた. また平均の概念も用いない新たな手法によるBrowder typeの不動点近似法の研究はまだあまりされていない状況下で, その研究を進めた. その結果, abstract semigroupをパラメタとするUniformly asymptotically regular nonexpansive semigroupの共通不動点への強収束定理をBanach空間で示せた. さらに非線形問題への応用を考え, 写像族に対するcommon attrative point近似の研究に力を入れ, いくつかの点列近似法を適用し, 収束定理を研究した. これらに関し, いくつも有効な研究成果を得られ, その分計画よりもさらに進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでいるので平成24年度までの研究成果も基にしながら, 研究推進のために,以下の大枠の目標を掲げてすすめることを方策の1つと考える. (1)不動点理論に関する非線形関数解析学の基礎理論の確立, (2)不動点をもとめる点列近似法の理論体系の確立, (3)非線形問題の解をもとめる点列近似法の再考察と発展. この大枠の目標に従って進めるため, これまでの成果も基にし, 数値実験もしながら, 以下の具体的な方策を掲げて進める. 1. 最近有効性が見込まれつつあるCAT(0)やBanach空間において, generalized nonexpansive mapping等まだあまり研究されていないが均衡問題・非線形最適化問題等の非線形問題には有効と見込まれる写像を, Halpern法やshrinking projection法, Hybrid法等の点列近似法及び新たに考えた点列近似法などのいくつかの不動点近似法や平均収束定理に適用できないか研究する. それらのもつ意味, 重要性を考察し, 本質を見極め, これらの写像に関する統一的な理論体系およびこれらの不動点への収束定理の理論体系を構築する. 2. 1. やこれまでの成果を基にして, Banach空間やCAT(0)における均衡点への収束定理および非線形最適化問題の解への収束定理も確立する. 3. 最近考案された非線形射影について, 特に最近有効性が見込まれつつあるCAT(0)における性質などかなり未解決問題が多い. そこで, 数値実験もしながら, それらの持つ意味・基礎性質・重要性を考察し, 本質を見極め, これらの非線形射影の基礎的性質に関する1つの体系を構築する. それを基に, 非線形射影を用いた使いやすい点列近似法を探求する. 今後は以上の推進方策で進める.
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Research Products
(11 results)