2012 Fiscal Year Annual Research Report
時間遅れを含む微分方程式系の大域的安定性とその医学への応用
Project/Area Number |
22540122
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
竹内 康博 青山学院大学, 理工学部, 教授 (20126783)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 時間遅れ / 大域的安定性 / 数理モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、感染症の伝播やAIDS発症、自己免疫疾患を含む様々な医学現象を記述する一般的な基本数理モデルを構築し、さらに時間遅れ(感染症では潜伏期間、AIDS発症や自己免疫疾患ではウイルス産生までに必要な時間や免疫が誘導されるまでに必要な時間)を導入し、時間遅れがモデルの大域的挙動に与える影響を考察することである。基本モデルの解析に必要な数学的手法を確立するとともに、医学における時間遅れを有する様々な非線形現象の理解を深める。 本研究を実施するため、感染症の伝播やAIDS発症、自己免疫疾患を含む様々な医学現象を記述し医学的に妥当な数理モデルを構築し理論解析・数値計算を行う。本研究実施のためには医学研究者・数理科学研究者の連携研究者、研究協力者や大学院生の数値実験補助が必要である。数理科学グループは,青山学院大学理工学部:竹内康博,岡山大学大学院環境学研究科:梶原毅教授、佐々木徹准教授で構成される。連携研究者(梶原毅,佐々木徹)と代表者で、医学グループと協力して数理モデルを構築する。また数理科学グループはモデルの定性的解析(周期解やカオス解の存在条件、平衡点の局所的・大域的安定性、双安定性解析など)を行う。医学的に妥当なパラメーターや初期条件を与えて、数理モデルの数値シミュレーションを実行する。医学グループは数理科学グループによって得られた数理モデルの定性的な性質や定量的な実験結果が、医学的見地から妥当であるかどうかを検討する。検討結果を数理科学グループに提示し、協力して数理モデルの修正を行う。海外共同研究者は、西南大学(中国) Wendi Wang教授,北京科学技術大学 Wanbiao Ma 教授である。 2012年度は特にAIDS発症をめぐる人間の免疫システムとHIVの戦いを表現する数理モデルを構築し、研究成果を国内外の会議や国際学術雑誌で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
感染症の伝播やAIDS発症、自己免疫疾患を含む様々な医学現象を記述する時間遅れの効果を含む一般的な基本数理モデルを構築し、一般的な非線形条件を仮定したうえで、数理モデルの安定条件を求めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
医学における時間遅れを含む数理モデルに関して、大域的安定性を保証するシャープな構造を決定し、その医学的・疫学的な意味を考察することが今後の課題である。そのためには、数理科学者と医学・疫学研究者との共同研究が必要である。
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Research Products
(9 results)