2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540125
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福島 正俊 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (90015503)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 2次元かがりブラウン運動 / 多重連結領域 / 小松レブナー方程式 / ランダム曲線 / SLE / SKLE / 等角不変 / 確率微分方程式 |
Research Abstract |
1.上半平面の標準截線領域(有限個の平行線分を除いた領域)上のジョルダン弧の導く等角写像族に関する小松-Loewner方程式の導出に、かがりブラウン運動(Brownian motion with darning (BMD), 各線分を1点とみなして反射させて得られるブラウン運動)を応用した。前者は上半平面上の古典的な Loewner 方程式の一般化であり、後者は本研究課題に於ける反射壁マルコフ過程の特別で重要な場合に相当する。 2.O.Schramm は 2000 年に、等角不変で領域マルコフ性を満たすランダムなジョルダン曲線に対しては、レブナー方程式を介して、上半平面の境界である x-軸上のブラウン運動の定数倍が対応することを見出した。 そして逆に後者を与えるとレブナー方程式を解くことにより、必ずしも単純でないランダム曲線が得られることも見出し、これを stochastic Loewner evolution (SLE) と呼んだ。 SLE の研究はその後統計物理の確率モデルと県連づけられ、著しく発展している。 本研究の対象である標準スリット領域では、x-軸上の運動のみでなく、それとスリットの運動の結合過程が、特別な確率微分方程式の解として対応することが証明された。 逆に後者を与え、小松レブナー方程式を解くことによって得られる stochastic Komatu-Loewner evolution (SKLE) の概念を定式化することにも成功した。 これらの成果は、1で得られた結果に基づいて導出された。 このように SKLE は単連結領域の SLE を多重連結領域に自然に拡張したものであり、SKLE と統計物理モデルとの対応の研究は今後に残された興味深い課題である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)